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エネルギーと気候に関する国際会議 目標の法的拘束力・差異化など議論

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環境省は、ワシントン(アメリカ)で4月19、20日に行われた「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)第21回会合」の結果を公表した。

同会合では、「各国の約束草案にかかる状況」を説明したうえで、「目標に対する説明責任」、「差異化」、「適応、ロス&ダメージ(損失と被害)」、「長期目標に照らした野心」などを議論した。日本は、先進国と途上国とが異なる義務を負う二分論ではなく「各国が自国の能力において自ずと差異化されるべき」、報告・レビューのシステムの共通化に対しては「能力や排出量の多寡に応じた報告・レビュー制度を構築していくべき」などと主張した。

また、3月に開催した「世界適応ネットワーク会合」を通じた知見共有の取り組みについて紹介したり、10月に東京で開催予定のICEF(Innovation for Cool Earth Forum)を通じた、低炭素技術の普及に向けた民間投資や企業間協力の推進が有益との考え方を示した。

同会合には、世界の排出の大部分をしめる主要経済国(15の国と機関:日、米、英、仏(COP21議長国)、独、伊、加、中、印、韓、豪、墨、南ア、伯、EU(ラトビア(議長国)および欧州委員会(EC)))およびオブザーバー9カ国(NZ、ペルー(COP20議長国)、サウジアラビア、シンガポール、マーシャル、トルコ(G20議長国)、ノルウェー、スイス、モルディブ)の計23カ国の環境大臣や気候変動特使に加え、国連気候変動枠組条約事務局、国連事務局およびADP共同議長他が参加した。議長はアトキンソン米大統領次席補佐官がつとめた。次回のMEF会合は7月20、21日に開催予定。開催地は調整中。

議論の主な概要は以下の通り。

目標に対する説明責任

約束草案を支援などと条件付けることの是非、いかなるルールをパリでのCOP21で決定すべきか、目標の法的拘束力と説明責任との関係などについて議論された。

  • 「支援などとの条件付け」については、小島嶼国(SIDs)や後発開発途上国(LDCs)は、自国の努力のみによる目標を出すことを基本として、合わせて条件付きの目標を出すことも容認する点はおおむね一致があった。
  • 「目標の法的拘束力」をめぐっては、目標の数値そのものに国際法上の拘束力を持たせるべきとの立場と、数値そのものに国際法上の拘束力を持たせず、目標の提出・維持と実施に対するレビューのみ国際法上の拘束力を持たせ、目標の達成は国内法または国内措置で担保すべきとの主張の間で意見が分かれた。
  • 「ルール」については、約束草案の定量化のためのルール、土地セクターや市場メカニズムを活用する場合のルールが必要との意見が出された。

差異化

国連気候変動枠組条約の下では、「共通だが差異のある責任と各国の能力(CBDR-RC)」の原則に基づいて、条約の附属書に基づき(条約締結の1992年当時の)先進国と途上国とが異なる義務を負う二分論が基本となっている。この原則を「すべての国に適用される」2020年以降の新たな枠組みのもとで、緩和、適応、支援、報告・レビューの各要素において現行の枠組みをどのように変えていくべきか否かについて議論された。

  • CBDR-RCの概念は維持されることは共有されたが、新たな枠組みの下でも、附属書に基づく二分論で先進国と途上国が異なる義務を負うべきとの主張と、新興国・途上国の役割や温室効果ガス排出量が拡大する現実を踏まえて新たな枠組みを永続的なものとするためには、二分論ではなく各国が自国の能力において自ずと差異化されるべきとの主張(日本もこの立場を主張)との間で議論が分かれた。
  • SIDsやLDCsに対する特別な配慮が認められるべきという点、緩和についてはすべての国が目標を提出すること、適応については各国が温暖化の影響に対する強靱性の強化に取り組むことが必要との点は一致したが、報告・レビューのシステムを共通化することへの途上国の懸念が見られた。これに対しては、能力や排出量の多寡に応じた報告・レビュー制度を構築していくべきとの反論(日本もこの立場を主張)がなされた。
  • 議論の中では先進国、途上国の各々がとる行動への異なる期待値を踏まえて、各国がどう応えるかが重要、その点に関する先進国・途上国間の不信感を埋める手当てが必要との意見も見られた。

適応、ロス&ダメージ(損失と被害)

2015年合意において、緩和と並んで適応が重要な課題となっていることを踏まえて、適応をどのように位置づけるか、また、特にSIDsが直面する自然災害などの頻発化や被害の拡大などの形で顕在化する「ロス&ダメージ」を2015年合意において扱うべきかが議論された。

  • 日本を含め、「2015年合意」においては、各国が適応計画策定を通じて自国の強靱化をはかること、国際協力の強化が必要であり、そのための知見の共有が重要との点はおおむね一致していた。
  • 「ロス&ダメージ」については、この問題を、被害に対する「補償」ではなく、国際社会が団結して対処すべき課題ととらえること、防災に関する協力の強化や保険などの活用を通じた現実的解決策の検討が重要であることを踏まえつつ、COP19で設置された「ワルシャワ国際メカニズム」を着実に前進させることが重要との意見が出された。

長期目標に照らした野心

2015年合意の下で時をへるなかで、各国が自国の目標を更新するものとなるためにいかに周期(サイクル)を設計すべきか、2015年合意に長期の脱炭素化についての目標を含むべきか、また政府以外の主体(経済界や地方自治体など)の参画を推進するための方途について議論された。

  • 「周期」については、5年を主張する国と10年を主張する国とがあり、これまでのところ終了年が2025年か2030年かで異なる約束草案が提出されているなか、約束草案を何らかの形で更新する周期が必要との見方が多くの国からなされた。日本は、終了年を2030年とする10年間の周期が望ましいと述べつつ、2025年目標の国が2030年の目標を提出する際に2030年目標の国も当該目標について検討を加え、当該国が必要と認める時は更新・提出するとの考え方を述べた。また、「長期目標」については、すでにCOP決定などで言及されている2度/1.5度の目標以外のさらなる目標を設定することには一部の国から懸念がある一方、各国の行動を長期的観点から位置づける上で重要として支持する意見も見られた。
  • 「政府以外の主体の行動」については、ペルー(COP20議長国)、仏(COP21議長国)が提案している「リマ・パリ行動アジェンダ」をはじめとする種々の取組の中で参画を推進すべき、2015年合意が発効する2020年までの各国の取組の促進の観点からも重要との意見が見られた。

【参考】
環境省 - 「エネルギーと気候に関する主要経済国フォーラム(MEF)第21回会合」の結果

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