> > 2020年、断熱材・遮熱材・蓄熱材の国内市場は8.1%伸びる 民間調査

2020年、断熱材・遮熱材・蓄熱材の国内市場は8.1%伸びる 民間調査

記事を保存

富士経済の調査によると、2020年の断熱材・遮熱材・蓄熱材の国内市場は、2014年比8.1%増の6,736億円となる見通し。2020年度までに予定されているすべての新築住宅・建築物に対する改正省エネ基準への適合義務化を背景に伸長する。

富士経済は4日、省エネニーズの高まりを受け注目される断熱材・遮熱材・蓄熱材の国内市場を調査した結果を発表した。

2020年度末をめどに全新築建築物の「改正省エネ基準(2013年基準)」への適合義務化、2030年度をめどに新築建築物の平均でZEH/ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ネット・ゼロ・エネルギー・ビル:太陽光発電などで創出されたエネルギー量が消費エネルギー量を上回ること)化が目標として掲げられている。この目標をクリアするためには、HEMSBEMSや創・蓄エネルギーをはじめとした「アクティブな省エネ手法」だけでは不十分なことから、断熱材・遮熱材・蓄熱材などを活用した熱マネジメントによる「パッシブな省エネ手法」に注目が集まっている。

本レポートによると、2014年の断熱材・遮熱材・蓄熱材の全体市場は6,231億円。住宅分野や非住宅分野など建築用途の需要が、市場をけん引している。建築用途は、断熱材や遮熱材を中心に改正省エネ基準への適合義務化、ZEHの普及を背景に、今後も安定的した成長が続くと予想される。また、エコ住宅新築時における「省エネ住宅ポイント制度」の実施などをはじめ、政策による追い風もあり、動向が注目される。

全体市場

  2014年 2020年(予測) 2014年比
断熱材・遮熱材 6,220億円 6,712億円 107.9%
蓄熱材 11億円 24億円 2.2倍
合 計 6,231億円 6,736億円 108.1%

一方、リフォームでの需要確保が課題の一つとされている。リフォーム市場を開拓する専門の営業部署を設置する企業や、リフォーム専用製品を投入する企業が相次いでおり、課題解決に向けた動きが活発化している。

蓄熱材は、潜熱蓄熱材が蓄熱式床暖房など既存用途での需要が縮小するものの、パッシブ蓄熱建材や定温輸送用蓄冷剤といった比較的新しい用途での需要拡大により成長が期待される。未利用熱エネルギーや再生可能エネルギーの有効活用に向けて注目度が高く、今後も研究開発の進行とともに新規需要の出現、拡大が期待される。

その他調査結果の概要は以下のとおり。

「非住宅分野」「自動車分野」は14年比15%増に

用途分野別市場

  2014年 2020年(予測) 2014年比
住宅分野 3,999億円 4,196億円 104.9%
非住宅分野 862億円 995億円 115.4%
自動車分野 40億円 46億円 115.0%
その他分野 1,330億円 1,499億円 112.7%
合 計 6,231億円 6,736億円 108.1%

用途分野別に市場をみると、2014年の住宅分野市場は3,999億円。消費税増税前の駆け込み需要の反動を受け縮小した。長期的には改正省エネ基準への適合義務化に向け、特に断熱材は新築住宅の着工戸数が減少するものの1戸あたりの使用量が増加し、安定して伸びると予想される。2020年は14年比4.9%増の4,196億円になると予測する。

2014年の非住宅分野市場は862億円。2020年予測は14年比15.4%増の995億円。改正省エネ基準への適合義務化の影響を大きく受け、需要が増加するとみられる。

2014年の自動車分野市場は40億円。2020年予測は14年比15%増の46億円。電装化や省エネ・快適性の向上を目的に熱対策の需要が増加している。蓄熱材は、アイドリングストップ車向けエバポレータ用途で需要が拡大している。遮熱材は、遮熱フィルム・シートの使用部位が増加し伸びている。

2014年のその他分野市場は1,330億円。2020年予測は14年比12.7%増の1,499億円。断熱材の構成比が大きい。断熱材では、ビーズ法ポリスチレンフォームの構成比は大きいが、伸長率はカーボンファイバーや真空断熱材、フュームドシリカなどが高い。特に、真空断熱材やフュームドシリカは、今後も採用分野の増加が予想される。潜熱蓄熱材は、定温輸送用蓄冷剤用途での需要が大きく増加すると予想される。

注目市場は「真空断熱材」「潜熱蓄熱材」

真空断熱材

真空断熱材は、家庭用冷蔵庫用途が需要の大半である。2014年の市場は、前年比3.7%減の79億円。家庭用冷蔵庫が、消費税増税前の駆け込み需要後、生産台数が減少し真空断熱材も影響を受けた。2015年以降は真空断熱材の需要も回復し、長期的には、業務用冷蔵庫や冷凍倉庫、住宅用断熱材、自動車で採用が進むと予想する。また、真空断熱材のJIS規格化が現在進められており、2020年までに実現となれば、さらなる用途拡大が期待できる。2020年は14年比40.5%増の111億円になると予測する。

潜熱蓄熱材

2014年の市場は9億円。蓄熱式床暖房の需要停滞に伴う住宅分野や非住宅分野向けが縮小したが、自動車分野のアイドリングストップ車向けエバポレータ用途、蓄熱剤・保冷剤用途で需要が拡大し伸びた。

2015年以降は、保冷剤用途を含むその他用途を中心に拡大し、蓄熱コンテナやパッシブ蓄熱建材などの比較的新しい用途でも需要が増加するとみられ、市場は毎年10%前後伸長すると予想する。

蓄熱式床暖房を中心とした住宅分野や非住宅分野向けの市場は、夜間電力体系の動向に影響されるとみられる。原子力発電所の再稼動などにより深夜電力料金の相対価格の引き下げが実現すれば、より拡大するとみている。2020年は14年比2倍の18億円になると予測する。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.