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アンモニアでの火力発電に成功! 天然ガスよりCO2排出を大幅削減可能か

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アンモニアでの火力発電に成功! 天然ガスよりCO2排出を大幅削減可能か

産業技術総合研究所の水素キャリアチームは、東北大学との共同研究により、アンモニアを燃料とした41.8kWの火力発電(ガスタービン発電)に成功したと発表した。

同研究の成果は下記の通り。

  1. メタン-アンモニア混合ガスをガスタービンで燃焼させ、41.8kWの発電に成功し、天然ガスを燃料とする大型の火力発電所でのアンモニア混焼による発電の可能性を示した。
  2. さらに、二酸化炭素(CO2)フリーの大型火力発電に繋がる100%アンモニア燃焼(アンモニア専焼)による発電にも成功した。

これにより、水素キャリアとしてのアンモニアを利用する技術の進展や温室効果ガスの大幅削減に貢献できる見込みだ。

水素キャリアは、水素を多く含んだ化学物質の形でエネルギーをより簡便に貯蔵・輸送を行うための媒質であり、有機溶媒に水素を着脱して用いる有機ハイドライド(メチルシクロヘキサンなど)や、窒素と水素から合成し、直接燃焼して用いるアンモニアなどがある。アンモニアは炭素を含まず、かつ水素含有量の多い水素キャリアで、特に発電用燃料として注目されている。今回得られた成果は、発電分野における温室効果ガスの大幅な削減に寄与する技術として実用化が期待される。

供給燃料の切り替えと発電出力の変化(メタン-アンモニア混焼(左)、アンモニア専焼(右))

供給燃料の切り替えと発電出力の変化(メタン-アンモニア混焼(左)、アンモニア専焼(右))

この詳細は、2015年9月20~23日に米国イリノイ州で開催されるNH3 Fuel Conference 2015および、11月16~18日に茨城県つくば市で開催される第53回燃焼シンポジウムで発表される予定だ。

産総研では、再生可能エネルギーの大量導入を支える水素キャリアの研究開発を推進しているが、東北大と連携して、アンモニアを直接燃焼させてガスタービンで発電する技術の開発にも取り組んできた。

アンモニアは一般の燃料より着火しにくく、また燃焼速度も遅いなどの課題があり、アンモニアを燃料とするガスタービン発電はこれまで行われていなかったが、さまざまな燃料を利用できるガスタービンを用い実証試験を行った結果、2014年には灯油にアンモニアを約30%混焼させ、21Wの発電に成功している。

その後開発を進め、今回の技術開発では、大流量のアンモニア供給設備とメタン供給設備を整備して、産総研の福島再生可能エネルギー研究所(福島県郡山市)で実証試験を行った。

なお、同研究開発は、2014年度からスタートした内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「エネルギーキャリア」委託研究として行われた。

【参考】
産総研 - メタン-アンモニア混合ガスと100%アンモニアのそれぞれでガスタービン発電に成功

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