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ビルの外気処理システム&高断熱外皮で60%以上省エネ 竹中工務店の新技術

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ビルの外気処理システム&高断熱外皮で60%以上省エネ 竹中工務店の新技術

竹中工務店(東京都江東区)は、NEDOプロジェクトで取り組んでいる、小型で従来の空調方式と比べて30%の高効率化が実現可能な「高効率調湿外気処理ユニット」と、年間を通した外皮からの熱負荷を半減できる「高断熱ファサード」の開発に目途を付け、来年2月末を目標に実用化を目指す。NEDOが発表した。

竹中工務店は、これらを組み合わせたシステムを構築することで、先進的事務所ビルにおける空調の一次エネルギー消費量60%以上の削減効果を確認している。

また「高効率調湿外気処理ユニット」については、今年8月から実験棟での実用化の検証を進めているが、今後、竹中工務店東関東支店のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を目指した改修工事に先行して適用する。

これらの成果を、今後、一般オフィスビルのZEB化ニーズへの対応と普及促進を目的に広く展開していく予定。

なお、NEDOは、これらの成果の一部を、2015年11月25日(水)~27日(金)の間、東京ビッグサイトで開催される「NEDO省エネルギー技術フォーラム2015」において展示する。

今回の成果、2つの技術

1. 高効率調湿外気処理ユニット

これまで竹中工務店では、温度と湿度を別々に制御することで除湿のために過剰に温度を下げず、高めの温度設定でも湿度が低く快適に過ごすことができる「デシカント空調機」を開発し、超省エネビルで採用してきた。しかし、同技術は除湿を行うための巨大なデシカントロータを回転させ吸湿と再生を繰り返すために空調機本体が大きくなり、専用の機械室に設置する必要があった。

今回、クボタと共同で開発中の「高効率調湿外気処理ユニット」は、吸放湿モジュールを流路の切り替えによる簡素な機構で吸湿と再生を繰り返す構造としたことで機器の高さを450mmに抑え、天井内に設置可能な大きさを実現する。従来の空調機を納める機械室が不要なだけでなく、小型化により既存建物のリニューアル工事にも容易に対応することができる。また吸放湿モジュールの冷却、再生に地中熱や太陽熱など自然エネルギーを利用することで、従来の空調に比べて外気処理のエネルギー効率が30%向上する。

2. 高断熱ファサード

今回、YKK APと共同開発中の「高断熱ファサード」は、外側ユニットと内側ユニットで構成されている。外側ユニットは、アルミフレームとブラインドを内蔵した2枚のガラスからなり、このブラインドで季節や時間に応じて日射を反射する。内側ユニットは、木質材料や樹脂を使用した断熱フレームで、フレームを通じて伝わる熱を遮断する。

従来の標準的なビルの外皮(アルミフレームサッシとLow-eガラスを想定)と比べて2.7倍高い断熱性能を実現した。さらに内蔵するブラインドにより日射を遮蔽することで、年間を通じた外皮からの熱負荷を半減できることをシミュレーションで確認している。

ZEBの普及を目指す取り組みのひとつ

現在、オフィスビルで使用されている空調システムは、空気を冷却することで結露させて水分を取り除く方法で除湿するため、除湿により室内温度が下がることで、再び空気を加熱する必要があるなど、快適な温熱環境の形成には、外気の高効率な処理が求められている。

また、1年を通じて寒暖差の大きい日本では、ビル外皮の断熱性能を向上させることが求められているなど、オフィスビルなどの建物のZEB化に向けた要素技術の開発が必要となっている。さらに、2014年に閣議決定された「エネルギー基本計画」では、「2020年までに新築公共建築物で、2030年までに新築建物の平均でZEBの実現を目指す」政策を掲げており、建物のZEB化に向けた要素技術の開発が期待されている。

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、建築構造や設備の省エネ再エネの活用、地域内でのエネルギーの面的(相互)利用などの対策をうまく組み合わせることにより、エネルギーを自給自足し、エネルギー消費量がゼロ、あるいは、概ねゼロ、となる建築物のことをいう。

【参考】
NEDO - 高効率調湿外気処理ユニットと高断熱ファサードの開発に目途

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