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「1,4-ジオキサン」、「塩化ビニルモノマー」が土壌汚染の規制対象に

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環境省の中央環境審議会土壌農薬部会は、「1,4-ジオキサン」および「塩化ビニルモノマー」を対象とした、土壌の汚染に係る環境基準(土壌環境基準)および土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等についての結論を、第2次答申として取りまとめた。

ともに土壌環境基準項目に追加

1,4-ジオキサンおよび塩化ビニルモノマーについて、2009年11月30日環境省告示で水質環境基準項目および地下水環境基準項目とされたことや、すでに測定方法があることから、基本的考え方に基づき、土壌環境基準項目(溶出基準)に追加することとし、基準値(環境上の条件)や測定方法等について明記している。

基準値(環境上の条件)は、1,4-ジオキサンについては「検液1Lにつき0.05mg以下であること」、塩化ビニルモノマーについては、「検液1Lにつき0.002mg以下であること」が適当だとしている。

1,4-ジオキサンは特定有害物質に指定せず

これら土壌環境基準の見直しに関する結論を踏まえた、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質への追加やその他土壌汚染対策の制度運用等の結論では、1,4-ジオキサンについては、当面は特定有害物質には指定せず、本法規制の対象外としている。

土壌環境基準における溶出基準項目が設定された物質については、土壌汚染対策法の特定有害物質として規制をしてきた。しかし、1,4-ジオキサンについては、土壌ガス調査を適用しても、その特性から検出が困難であるため、効率的な調査が行えず、合理的な対策を行うことが難しいこと等を理由にあげる。

しかし、土壌環境基準が設定されると土地所有者等が自主的な調査を実施し、その結果、土壌環境基準不適合の汚染事例が見つかり、その対策を講じたいといった場合が生じることが想定される。

このため、「1,4-ジオキサンによる土壌汚染を把握するための測定方法及び調査方法」、「周辺の人の健康被害防止の観点からの地下水の飲用に関する注意喚起」、「基準不適合土壌の存在する土地の対策及び形質変更時の留意事項」、「汚染土壌の適正な運搬・処理方法」等についてとりまとめた技術的助言(案)を地方自治体の周知することを求めている。

塩化ビニルモノマーは特定有害物質に追加

塩化ビニルモノマーについては、汚染状況調査の実施や汚染の除去等の措置が適用可能であると考えられること等を踏まえ、土壌汚染対策法に基づく特定有害物質に追加することが適当との考えを示した。

その際、塩化ビニルモノマーの物性から第一種特定有害物質(揮発性有機化合物)に区分することが適当であり、土壌含有量基準は定めず、汚染状態に係る基準および関連基準については設定するとしている。

土壌溶出量基準と地下水基準は、「土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて」に示されている土壌環境基準と同じ値である「0.002mg/L以下であること」と設定すること等、関連基準を明記している。

また、これら見直し等の施行においては、1,4-ジオキサンおよび塩化ビニルモノマーは、新規に規制対象等に追加される物質であることから、準備期間として1年間の期間を設けることが適当であるとしている。

審議の経緯

2013年10月7日、環境大臣から中央環境審議会会長に対して、1,1-ジクロロエチレン等の6物質を対象に、「土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について」諮問がなされた。

検討対象6物質のうち、1,1-ジクロロエチレンの土壌環境基準の見直しについて、2013年12月26日に開催された中環審土壌農薬部会土壌環境基準小委員会において審議し、第1次答申がとりまとめられ、2014年3月20日に1,1-ジクロロエチレンについて土壌環境基準が0.02mg/Lから0.1mg/Lに改正された。

今回は検討対象物質のうち、1,4-ジオキサン、塩化ビニルモノマーについて、科学的知見の収集・解析を行った。昨年12月11日に開催された第32回会合において、「土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直しその他法の運用に関し必要な事項について(第2次答申)」を取りまとめられ、12月28日付けで中央環境審議会会長から環境大臣へ答申した。

土壌の汚染に係る環境基準の見直しについて

環境基本法に基づく土壌の汚染に係る環境基準(土壌環境基準)については、既往の知見や関連する諸基準に即して、設定可能なものについて設定するとの考え方に基づき、環境としての土壌が果たしている機能(土壌環境機能)を保全することを念頭に置いて、特に「水質浄化・地下水かん養機能」と「食料を生産する機能」の二つの機能を保全する観点から、現在27項目について定められている。

土壌汚染対策法とは

土壌汚染対策法は、特定有害物質による土壌汚染の状況の把握に関する措置およびその汚染による人の健康被害を防止することを目的に、2002年に制定され、さらに2010年に改正されている。

本法に基づく特定有害物質は、土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるものとして、揮発性有機化合物や重金属等の25物質が指定されている。

有害物質使用特定施設の使用を廃止するとき等、土壌汚染の状況を把握するために行う必要な調査が定められている。

1,4-ジオキサンと塩化ビニルモノマーについて

1,4-ジオキサンは揮発性物質で、水に溶けやすく、油にも溶けやすい性質から、広く溶剤として使われており、有機化合物を製造する際の反応溶剤として使われるほか、トランジスター、合成皮革や塗料などの溶剤として、また、洗浄剤の調整用溶剤、繊維処理・染色・印刷時の分散剤や潤滑剤などにも使われている。

塩化ビニルモノマー(クロロエチレン)は、ほぼ全量がポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)や塩化ビニル系共重合樹脂の原料として使われている。

【参考】
環境省 - 土壌の汚染に係る環境基準及び土壌汚染対策法に基づく特定有害物質の見直し等について(第2次答申)

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