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東京都、低炭素熱の供給事業者を7件認定 下水熱などを有効利用する事例も

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東京都環境局は1月27日、キャップ&トレード制度の活用促進のため、「低炭素電力・熱の選択の仕組み」の2016年度の対象となる供給事業者を認定した。

「低炭素電力・熱の選択の仕組み」とは、都が認定するCO2排出係数の小さい供給事業者から対象事業所が電気や熱を受け入れた場合、CO2削減相当として認めるキャップ&トレード制度の仕組みのひとつ。

今年度は新たに低炭素熱を供給する事業者7件(7区域)について認定した。低炭素電力を供給する事業者は認定されていない。これらを加え、低炭素電力を供給する事業者(区域)が計4件、低炭素熱を供給する事業者(区域)は計32件になった。

低炭素電力・低炭素熱供給事業者の要件

(ア)低炭素電力

CO2排出係数が0.4トン-CO2/1000kWh以下、かつ再生可能エネルギーの導入率が小売量ベースで10%以上または低炭素火力の導入率が小売量ベースで40%以上

(イ)低炭素熱

CO2排出係数が0.058トン-CO2/GJ(ギガジュール)以下

今回認定された事業者(区域)

東京都市サービス

東京都市サービス(東京都中央区)では、晴海アイランドトリトンスクエア(東京都中央区)に約20000立米(競泳用50mプール約16個分)の大型蓄熱槽と「蓄熱式ヒートポンプシステム」を採用した熱供給を行っている。 また、蓄熱槽の水は非常災害時に消防用水や緊急生活用水として利用する「防災型地域熱供給」としても機能している。省エネ効果は約42%。

(1)プラント (2)晴海アイランドトリトンスクエアホール棟の一部&低層棟 (3)オフィスタワーW (4)オフィスタワーX&ホール棟の一部 (5)オフィスタワーY (6)オフィスタワーZ

(1)プラント (2)晴海アイランドトリトンスクエアホール棟の一部&低層棟 (3)オフィスタワーW (4)オフィスタワーX&ホール棟の一部 (5)オフィスタワーY (6)オフィスタワーZ

また、同会社は東京都品川区に展開する大崎駅東口第2地区第一種市街地再開発事業において、熱源システムを展開している。空気熱源ヒートポンプ(熱回収型)のほか住宅棟への給湯用の水熱源ヒートポンプ等の全電気式熱源機で構成している。蓄熱槽総容積は10,400m3

1センタープラント 2サブプラント 3ゲートシティ大崎業務商業棟 4ゲートシティ大崎サウスパークタワー 5品川区清掃事務所

1センタープラント 2サブプラント 3ゲートシティ大崎業務商業棟 4ゲートシティ大崎サウスパークタワー 5品川区清掃事務所

虎ノ門エネルギーサービス

虎ノ門エネルギーサービス(東京都港区)は日本たばこ産業(東京都港区)の「JTビル」建設に合わせ、虎ノ門2丁目地区においてJTと東京ガスとの共同出資により地域熱供給の熱供給事業を展開している。周辺環境に対しても騒音・振動対策の他冷却塔については、白煙防止対策などの都市景観上の配慮もしている。

1プラント 2JT 3虎の門病院 4国立印刷局 5共同通信会館

1プラント 2JT 3虎の門病院 4国立印刷局 5共同通信会館

山王熱供給

山王熱供給(東京都千代田区)は永田町2丁目の区域で、都市ガスを熱源とする蒸気ボイラーと吸収式冷凍機、電動ターボ冷凍機、深夜電力を有効に活用する氷蓄熱を組み合わせ、蒸気と冷水を供給している。

1山王パークタワー 2国際赤坂ビル 3東急キャピトルタワー 4プラント

1山王パークタワー 2国際赤坂ビル 3東急キャピトルタワー 4プラント

品川熱供給

品川熱供給(東京都品川区)では品川駅東口にオフィスを中心として商業施設・ホールなどで構成された「品川インターシティ」の地下にプラントを設置している。また、隣接する「東京都中央卸売市場 食肉市場」に蒸気、冷水と一部温水を供給している。

当地区の熱供給施設は、ガス焚蒸気ボイラと吸収冷凍機に電動ターボ冷凍機と温度成層型蓄熱槽を併用して、都市エネルギーの平準化と高効率・省エネルギー運転を目途とした電気ガス併用のベストミックスシステムを採用している。

1プラント 2C棟 3B棟 4D棟 5A棟 6東京都中央卸売市場 食肉市場事務棟

1プラント 2C棟 3B棟 4D棟 5A棟 6東京都中央卸売市場 食肉市場事務棟

東京臨海熱供給

東京臨海熱供給(東京都江東区)は、東京都が21世紀に向け、新たな副都心として開発を進めている臨海副都心で、台場、有明南、青海の三地区305ヘクタールを「熱供給区域」とし、清掃工場で発生する排熱を最大限有効利用して、東京ビックサイト、フジテレビ等周辺ビルに対し熱供給事業を行っている。

熱源機器は、蒸気ボイラー、ヒートポンプ、電動ターボ冷凍機、蒸気吸収冷凍機、熱交換器、蓄熱槽。冷温熱の熱源として清掃工場からの排熱蒸気を利用し、電気・ガスの併用方式を採用している。

1台場プラント 2青海南プラント 3有明南プラント;フロンティアビル

1台場プラント 2青海南プラント 3有明南プラント;フロンティアビル

東京下水道エネルギー

東京下水道エネルギー(東京都中央区)は新砂事業所において、熱供給を行っている。夏季は外気温より温度の低い下水処理水を使って、冷水を作っている。

下水処理水は砂町水再生センターで処理され、汚れを取り除かれた処理水が、送水されている。また、冬季は水再生センター(スラッジプラント)より送水される高温の洗煙水を熱源とし、温水を作っている。

※洗煙水…下水汚泥を焼却した煙から有害物質や、ばい塵を洗浄するために用いた水。東部スラッジプラントより送水され、熱交換したあと処理施設に戻される。さらに、廃熱投入型高効率吸収式ヒートポンプ(吸収式ヒートポンプジェネリンク)を用いて、下水熱を活用している。吸収式ヒートポンプジェネリンクは、洗煙水の熱エネルギーに加え、太陽熱パネルで集熱されたエネルギーを廃熱再生器に投入することで、都市ガスの使用量を削減し、効率の向上と省エネ、二酸化炭素の削減に貢献している。


熱供給は電力自由化、ガス自由化に続き規制緩和などが進んでいる。未利用エネルギーなどの効率的な利用は今後さらなる活用が期待されている。

【参考】
東京都 - キャップ&トレード制度CO2削減量に算定できる「低炭素電力」・「低炭素熱」の認定供給事業者が決定

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