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下⽔処理場のメタンガスからH2とCO2を回収するシステム、意外と早く投資回収

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下⽔処理場のメタンガスからH2とCO2を回収するシステム、意外と早く投資回収

国土技術政策総合研究所は、10月31日、三菱化工機(神奈川県川崎市)が参画した実証研究の結果、「下水バイオガス原料による水素創エネ技術導入ガイドライン(案)」が策定されたことを発表した。

下水施設のバイオガス→水素利用のガイドライン

「下水バイオガス原料による水素創エネ技術導入ガイドライン(案)」は、地方公共団体などの下水道事業者および関連する民間企業などの「下水バイオガス原料による水素創エネ技術」導入の促進を目的としている。

想定するシステムは、下水処理場の消化工程から発生する消化ガスに含まれるメタンガスを濃縮し回収、さらにそのメタンガスを水素に改質し82MPaGまで昇圧し、燃料電池車(FCV)に充填できるようにする。また、メタン濃縮時に発生するCO2を高純度で液化回収し、売却できるようにするもの。

本システムの設備フロー

ガイドラインには、このようなシステムを導入する際の検討、計画・設計、維持管理などに関する技術的事項がまとめられており、導入の際の参考資料として利用できる。

毎時180Nm3処理すれば投資回収まで約10年

今回、ガイドライン案作成のために実施された実証研究は、「水素リーダー都市プロジェクト~下水バイオガス原料による水素創エネ技術の実証~」。2014年から三菱化工機、福岡市、九州大学、豊田通商ら4者の共同研究体が福岡市中部水処理センターで実施した。

施設配置図

実証フィールドは、処理人口357,901人、処理能力300,000m3/日、消化ガス発生量3,506,283Nm3/年(9,606Nm3/日)、消化ガス中CH4濃度56vol%、消化ガス中CO2 43vol%の下水処理施設。

実証試験では、1日あたり2,400Nm3の消化ガスを処理し、水素を約3,300Nm3製造、CO2を約765kg回収した。

また、再生可能エネルギー由来の水素を燃料電池自動車(FCV)で使用することにより、ガソリン車よりも温室効果ガス排出量を約29%削減できる。この結果、このシステムで削減できる温室効果ガス排出量は1,162㎏-CO2/日と試算された。

この結果を受け、ガイドライン案では、1時間あたりの消化ガス処理量が60Nm3、120Nm3、180Nm3、またそれぞれCO2液化回収装置のあり/なしの計6パターンでエネルギー総出量、CO2回収量、さらに投資回収までの年数を試算している。

試算では、システムを年間345日、日中12時間稼働させ、毎時180Nm3(1日2,160Nm3)の消化ガスを処理し、水素を100円/Nm3、CO2を120円/kgで販売した場合、およそ10.2年で投資回収できる(設備の耐用年数は15年)としている。

評価結果

三菱化工機は、今後も水素社会実現の推進役を果たしていく考えを示している。

「下水バイオガス原料による水素創エネ技術」は消化ガス中のメタンだけでなくCO2の有効利用も可能になり、温室効果ガス排出量を大幅に削減できる。

ガイドライン(案)の詳細については、国土技術政策総合研究所ウェブサイトを参照のこと。

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