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ビットコインなどの仮想通貨で電力売買 エナリスがサービスの検討開始

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ビットコインなどの仮想通貨で電力売買 エナリスがサービスの検討開始

ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸策定の背景
出典:ブロックチェーン技術を活用したシステムの評価軸ver.1.0(商務情報政策局情報経済課:2017年3月29日)

エナリス(東京都千代田区)は5月31日、ソラミツ(東京都港区)が主導して開発を進める、国産ブロックチェーンソフトウェア「Hyperledger Iroha(いろは)」の電力領域におけるユースケース・パートナーとなり、ブロックチェーン技術を活用した様々な電力サービスの検討を開始したと発表した。

ビットコイン等、仮想通貨の価値記録の取引に使用されているブロックチェーン技術は、従来の中央集権型システムに比べ、改竄が極めて困難で、その箇所が動かないとシステム全体が停止するような単一障害点がないシステムを安価に構築できることから、幅広い分野への応用が期待されている。

今回の取り組みでは、ブロックチェーン技術をスマートメーターに組み込んだシステム開発の実績をもつ会津ラボ(福島県会津若松市)の開発協力と、「いろは」のブロックチェーン技術を用いた学内通貨実証の経験を持つ会津大学(福島県会津若松市)の技術協力のもとに推進し、新しい電力サービスの商用化に向けた実証等を行っていく。

またエナリスは、「いろは」のブロックチェーン技術を活用した今回の取り組みによって、再生可能エネルギーや個人が創出する電力(創エネ、省エネ、蓄エネ)を有効に活用できる分散型エネルギー社会の実現に貢献し、将来的に個人が自由に電力取引できる環境の整備を目指すとしている。

仮想通貨の中核技術「ブロックチェーン」

仮想通貨の中核技術として広く知られているブロックチェーンとは、二者間の取引を効率的かつ検証可能な方法で記録することができる分散台帳のことである。

これまでの中央管理型のデータベースでは、一つの管理者(中央管理者)が取引情報を集約・管理し、管理者を通して取引が実行される。これに対し、ブロックチェーンは、取引の当事者同士が直接取引情報をやり取りし、その取引情報を複数の台帳(分散台帳)で記録する。

データを一カ所に集めずに、データを分散・共有することで、中央管理者を必要とせず、データ改ざんを防止し、情報システムが止まりにくいという特長をもつ。

個人間の速やかで安全な取引を可能にする技術として注目されており、海外では、すでに、電力データを「ブロックチェーン」に記録したうえで、電力取引などに活用する試みが始まっている。

ブロックチェーンのオープンソースソフト「いろは」

「いろは」は、日本のブロックチェーンスタートアップ企業であるソラミツが主導して開発を進める、日本発のブロックチェーンのオープンソースソフトウェア。

米IBMの「Fabric」、米Intelの「Sawtooth Lake」に続いて、世界で3番目にHyperledgerプロジェクト(Linux システムの普及に取り組む非営利のコンソーシアムである、Linux Foundationが立ち上げたブロックチェーン技術の普及に向けての共同研究プロジェクト)に受諾された。

「いろは」の主な特長として、「高速スピードで非常に高いパフォーマンスを実現するアプリケーション構築が可能」、「開発者に理解しやすく、開発しやすいシンプルな設計」、「モバイルアプリが簡単に開発できるiOSとAndroidのライブラリーを用意」がある。

将来は個人間の余剰電力取引やネガワット取引にも応用

エナリスでは、近い将来、再生可能エネルギーの発電設備や電気自動車(EV)蓄電池がさらに普及し、自由に電力を融通し合うことによって、電力を効率的に活用できる分散型エネルギー社会が訪れると考えている。

しかし、分散型エネルギー社会を実現するためには、法人や個人、さらに電気事業者が自由に、簡単に電力取引を行える環境が整う必要もある。

「いろは」のブロックチェーン技術は、デジタル決済、契約管理、サプライチェーン・マネジメントなどへ当事者間で対応することを可能にする。

これにより、たとえば、小売電気事業者間で台帳を共有することにより、事業者間での取引や複雑な精算を低コストかつ簡単な手続きでセキュアにできるようになることが想定される。

また、消費者は、ライフスタイルに合った多彩な料金メニューや付加サービスを、簡単な手続きで利用できるようになる可能性がある。さらに、将来的には個人間の余剰電力取引やネガワット取引も、ブロックチェーン技術を活用することで可能になると考えている。

エナリスでは、今年3月に発表した中期経営計画の中で、分散型エネルギー社会を見据え、ネガワット取引、VPP、需給管理などの機能を実装した「でんきがプラスワン(仮称)」を新電力事業における将来の新しいプラットフォームサービスとして公表している。

今後の展開ではブロックチェーンを活用したサービスもその機能の一つとして、小売電気事業者などに提供することを想定している。

「でんきがプラスワン(仮称)」

未来に向けた取組みは、「でんきがプラスワン(仮称)」のサービス機能としても実装
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