川崎重工、ベルギーのガスタービンを水素混焼に改造 体積比30%まで対応可
川崎重工業(東京都港区)は2月19日、ベルギーで、同社初となるガスタービン(GT)コージェネレーションシステムを、天然ガス焚き仕様から水素混焼仕様に変更する改造工事が完了したと発表した。これにより、体積比30%まで水素混焼できるようになった。工事は2023年10月に完了し、すでに営業運転を開始している。
1.8MW級GTを水素仕様に改造
今回の取り組みは、ベルギーの企業Chevron Phillips Chemical International N.V.向けに実施したもので、対象機器は、DLE燃焼器搭載の1.8MW級天然ガス焚きガスタービンコージェネレーションシステム「GPB17D」。
水素混焼ガスタービンコージェネレーションシステム「GPB17D-H2」スペックは以下のとおり。
Chevron Phillips International N.V.は、石油化学製品の生産・販売事業をグローバルに展開する米企業Phillips Chemical Company LLC.傘下の会社。現在は、ベルギー東部のテッセンデルロ工場で発生する副生水素を燃料として有効活用し、エネルギーコスト低減、CO2排出量削減を図っている。
川崎重工は、水素エネルギー普及を見据え、水素サプライチェーン(つくる・はこぶ・ためる・つかう)の構築を推進。ガスタービン燃焼技術開発では、水素燃料への対応を進めている。同社のDLE燃焼器を搭載した天然ガス焚きガスタービンは、全機種でガスタービン本体を改造することなく水素混焼に対応可能。水素圧縮機と燃料混合システムなどを追加するだけで、既存システムの機器を流用しながら、水素混焼が実現できる。
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