UBE三菱セメント、セメント製造プロセスでアンモニア混焼実機試験

  • 印刷
  • 共有

UBE三菱セメント(東京都千代田区)は4月5日、セメント製造プロセスからのCO₂排出削減を目的に、宇部セメント工場(山口県宇部市)のセメントキルン(焼成炉)と仮焼炉で、アンモニアを熱エネルギー源として使用する混焼試験に着手したと発表した。

同社の調べによると、セメント製造プロセスの実機レベルでのアンモニア混焼は世界で初めての試み。今後、30%を目標に混焼率を段階的に引き上げ、エネルギー転換に関わる課題抽出と、対応策の具現化を進める。2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みのひとつとして推進する。

アンモニア混焼セメントキルンの技術開発を実施

セメントの中間製品であるクリンカーの製造には、熱エネルギー源として主に石炭を使用する。これまでも、建築廃材や廃プラスチックを混焼するなど、CO₂排出量削減に向けてさまざまな取り組みを進めてきた。

アンモニアは燃焼時にCO₂を排出しない、次世代エネルギー源として注目されている。同社は会社統合前の2014年から2018年、宇部興産として、内閣府総合科学技術・イノベーション会議のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)に参画。「アンモニア混焼セメントキルンの技術開発」に取り組んだ。

同研究ではセメント製造プロセスにおける化石由来エネルギー源をアンモニアに置き換える研究開発を実施。小型工業炉での燃焼試験や数値解析を通じて、アンモニア混焼によるセメントクリンカー焼成への影響を評価することに成功している。



続きは無料の会員登録(必須情報入力)後にお読みいただけます。

  • 環境対策・環境推進に役立つニュース記事が読める
  • 平日毎朝、自分の興味に合った最新ニュースをメールで受け取れる
  • 有料記事などに使えるポイントを貯められる
  • クリッピング機能で要チェック記事をストックできる

関連記事