脱炭素への移行資金、多排出産業への投融資をどう評価する? 金融庁らが提起
脱炭素化に向けた移行(トランジション)に取り組む多排出産業に対し、投資家や金融機関が資金を供給する「トランジション・ファイナンス」の推進に向けて、金融庁・経済産業省・環境省は2月21日、投融資先の温室効果ガス(GHG)排出量(ファイナンスド・エミッション)に関する課題提起ペーパーを官民で取りまとめ公表した。
2023年夏頃までに算定・開示のあり方を提示へ
投資家・金融機関にはトランジション・ファイナンス等を通じて排出削減を行う企業の脱炭素化を支援することが期待されている。その一方、投資家・金融機関の脱炭素化の取り組みを評価する指標としては、容易に比較・評価しやすい指標であるファイナンスド・エミッションが用いられている。実体経済における排出量削減に繋がっている場合であっても多排出産業への資金供給によって一時的にファイナンスド・エミッションが増加する可能性を懸念し、多排出産業に対する投融資を控える行動が生じ得るという課題が指摘されている。
同ペーパーは、こうした課題について、G7やG20を含めた政府間トラックや民間イニシアチブに対して発信するためにとりまとめたもの。