太陽光発電、売電量アップの秘訣

太陽光発電、売電量アップの秘訣 (2ページ目)

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発電と給湯を同時に行う「エネファーム」と組み合わせた「ダブル発電」で、
売電量を無理なくアップ

そこで、無理なく売電量を増やす方法として注目を集めているのが、発電と給湯を同時に行う家庭用燃料電池システム「エネファーム」と太陽光発電システムとの併用だ。

エネファームの仕組みは、まず、LPガスや都市ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させて電気を発生させる。この電気は、家庭内で利用することができる。さらに、発電の際に出る排熱を効率よく利用して、お湯を沸かすことができる。実は、家庭で使用するエネルギーのうち約30%は給湯に使われているという。エネファームを導入することで、家庭のエネルギーの大部分を占める給湯に必要なエネルギーが削減され、家全体の省エネ効率を高めることができる。

太陽光発電とエネファームを同時に導入する「ダブル発電」の場合、エネファームの発電によって、朝~晩に使用する電力を賄うことができるため、電気代の削減につながるだけでなく、日中に太陽光発電で生みだした電力を、より効率的に売電することができる。電気代を減らしつつ、売電量を大幅にアップさせる、お得なシステムなのだ。

ダブル発電の場合
ダブル発電の場合の売電の仕組み

ダブル発電にすることで、日中使用する電力はエネファームでまかなうことができるため、売電量は太陽光発電による発電量全体の80~90%程度までアップするという見方もある(※1)。JX日鉱日石エネルギーによれば、売電量は50%から75%までアップ、電力購入量は太陽光発電・エネファームの導入前と比較して75%減と大幅に下がるという(図を参照)。

※1 ただし、ダブル発電の場合の余剰電力買取価格は、48円/kWhではなく39円/kWhと引き下げられる。

ダブル発電の場合
購入する電力量・自家消費量・売電量のバランス
上記は、JX日鉱日石エネルギーの「ENEOSダブル発電シミュレーション」の算出結果に基づく数値。実際の発電量・売電量・電気使用量などの数値は、居住環境、家電製品、生活スタイルなどにより変動する。
【設定条件】
神奈川県横浜市の既築一戸建て住宅4人家族を想定(給湯・調理にはLPガスを使用、暖房は灯油と電気を併用)
(1)太陽光発電システム:SANYO HIT 3.2kWを真南向きに設置。
(2)ダブル発電:(1)+エネファームLPG機標準仕様を設置。

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