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環境 新製品:ミネラルオーシャン/宇部マテリアルズ

環境ビジネス編集部

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年3回ビルピットに投入するだけで悪臭を防止
手軽で安全な水質改善材

宇部マテリアルズは、同社の水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムを原料に環境マグネシアが開発した「ミネラルオーシャン」を、ビル排水槽(ビルピット)の悪臭を防ぐ水質浄化材として製品化した。

今年3月、東京都は全国初の「ビルピット臭気対策マニュアル」を作成し指導体制を強化した。ビル所有者や管理者には今まで以上に悪臭への自主対策が求められる。

都へのビルピットに関する悪臭の苦情は多い。平成19年度では、住民から寄せられた608件の苦情の大半はビルピットが原因だった。悪臭の主な原因は排水が腐敗して発生する硫化水素。硫化水素は金属やコンクリートを腐食するばかりか、卵が腐ったような悪臭を放ち、人の目や喉に刺激を与えたり、頭痛やめまいを引き起こしたりする。最悪の場合は死亡することもある危険な物質だ。

ミネラルオーシャン

ミネラルオーシャン


ビル排水槽(ビルピット)の様子

ビル排水槽(ビルピット)の様子


ミネラルオーシャンの原料の酸化マグネシウムは、海水中のマグネシウムなどの微量ミネラル分を濃縮し塩分を除去して製造される、スポーツ飲料や胃薬の原材料にもなる安全な物質だ。弱アルカリ性なので硫酸塩還元菌の増殖を抑制し、硫化水素の発生を抑える。また、ミネラルオーシャンは、主成分のマグネシウムのほか、微生物が必要とするミネラル類を含み、好気性バクテリアを活性化させてヘドロ化した有機物の分解を促進する。その結果、腐敗した水は浄化され、悪臭の発生が抑えられるのである。

このミネラルオーシャンをビルピット浄化に応用したきっかけは、ある総合病院が宇部マテリアルズにもちかけた相談だった。その病院ではビルピットが待合室の真下にあったため、来院者から悪臭の苦情が出た。そこで試験的にミネラルオーシャンを投入したところ、3週間後にはCOD値が低減化するとともにピットからの悪臭問題は解決した。この成果はマスコミにも取り上げられ、同社には同じように悪臭で悩むビルオーナーなどから多数の相談が寄せられているという。ミネラルオーシャンはビルピットの清掃時に排水槽に投入するだけ。特別な設備や人手は必要ない。コストは1000人規模のビルで年間30万円程度。

※COD(化学的酸素要求量:Chemical Oxygen Demand)
水中の酸素量で水の汚れをあらわす指標。COD値が高いほど酸素量が少なく、自然浄化作用が止まった汚れた水とされる。

 
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