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環境 新製品:超軽量太陽光発電システム/川口スチール工業

環境ビジネス編集部

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重さはガラス基板型のわずか1/7!
フィルム型で波型スレート屋根にも設置できる薄型太陽電池パネル

屋根工事専門業の川口スチール工業が、工場などの波型スレート屋根にも設置可能な超軽量産業用薄膜太陽電池パネルを開発した。

2008年度の国内の太陽電池の普及状況は、総出荷量のうち80%以上が住宅用で、産業用は3.5%とかなり低い。その原因の一つが太陽電池の重さによる屋根への負担だ。

超軽量太陽光発電システム

超軽量太陽光発電システム



川口スチール工業は、工場や倉庫、公共施設やショッピングセンター、体育館といった大型施設の金属系屋根の施工が得意分野。大型施設の屋根は広い。この広大なスペースを有効活用できないかと、屋根への負担が少ない産業用太陽電池の開発に乗り出した。

だが、同社は電気系統分野では素人同然。開発までの道のりは平坦ではなかった。最初はインターネット上で偶然米国企業のフィルム型太陽電池を発見し、海外に連携パートナーを求めるが、苦戦。川口信弘代表取締役によると、当時、国内に薄膜太陽電池メーカーがあることさえ知らなかったそうだ。そんなとき、九州経済産業局の計らいで熊本大学と薄膜太陽電池メーカーの富士電機システムズを紹介され、ようやく産業用太陽電池開発への一歩を踏み出すことができた。

新開発の太陽光発電パネルは、プラスチックフィルムを基盤にしたフィルム型アモルファス太陽電池。モジュール単体の厚さはわずか1mm(フィルム0.1mm、太陽電池0.1mm、フッ素鋼板0.8mm)。重量は従来のガラス基板使用の太陽電池の約7分の1。建物への荷重負荷が少なく、大面積化が可能になった。また、薄いフィルム状なので、屋根や外壁の曲面など、設置する状況や用途に応じ最適な形で導入できる。取り付けは、独自開発の専用金具で固定するカバールーフ工法。工場などの屋根に多い長尺折板や波型スレート屋根材でも、屋根にビス穴1本あけることなく設置できる。

2009年9月の発売以来、同社には問い合わせが殺到。予想以上の反響に驚いている状況だという。今後は長尺折板屋根材に直接太陽電池モジュールを蒸着した屋根材一体型・外壁材一体型の太陽電池の開発を進める。また、環境ファンドなどを活用し工場などの屋根を借りて発電する「賃貸モデル」の実施も計画中。産業用太陽電池市場に新風が吹き込んでいる。

 
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