環境 新製品:ソーラーパネル検査装置「そらちゃん」/電子工学センター
製造ラインを停止せずにソーラーパネルの品質チェックができる
電磁波を活用した検査装置
ソーラーパネル検査装置「そらちゃん」
電子工学センターは、ソーラーパネルの製造段階で不良品の検出ができる、太陽電池パネル向け検査装置「そらちゃん」を製品化した。
太陽電池の検査は、セルの完成後に人工の太陽光を照射して出力を測定し、欠陥品の選別や発電量のランク分けを行うのが一般的。だが、新開発の「そらちゃん」は、製造ラインを停止することなく不良品の検出や品質のランク分けを行うことができる。
それを可能にしたのが、電磁波探傷方式センサだ。電磁波を照射したときに生じる反射波を利用して、目には見えない電池表面の状況を瞬時に可視化し、解析や良否判定を行うことができる。センサは非接触型で、センサヘッド内部のコイルに高周波電流を流して電磁波を発生させる。それをソーラーパネルに照射すると、ソーラーパネルから反射波が発生し、センサコイルに逆起電力が発生するという仕組みだ。
「そらちゃん」はその現象を取り込み、クラックを検出する。一般的な画像検出より速やかに判定結果を出すことができるうえ、どの製造工程でも選別可能なので、従来の完成後の検査よりも欠陥品や破損不良品によるロスを大幅に削減できるという。
同製品は、ソーラーパネルだけでなく、ソーラーウエハーやソーラーセルの製造時にも用いることができる。本体はW66mm×H260mm×D280mmとコンパクトで場所をとらない。電磁波探傷方式センサは、面倒なクリーニングや消耗品交換なども必要ない。価格は個別見積りだが、電子工学センターによると「ソーラーパネル製造に新規参入する企業にも優しい価格帯で、すでに各方面からの問い合わせが殺到している状況」だという。
同社では初年度50セットの販売を目指しながら、「そらちゃん」の更なる使用範囲拡大に向けて開発を進める方針だ。