環境 新製品:エネブリッド可変レール仕様/アーキヤマデ
防水・軽量なうえ、太陽光パネルを自由に上下できる新製品
メンテナンスの手間を大幅に軽減
アーキヤマデは、太陽光発電コンサルティングのフォトボルテックと共同で、太陽光発電の固定架台「エネブリッド可変レール仕様」を開発した。
同社は、カーテンレールの仕組みを応用して、断熱防水の下地「リベットルーフ防水」に太陽光パネルを直接固定する連結方法を新たに採用。リベットルーフ防水は、非住宅の屋上の樹脂系防水シートにおけるシェアナンバーワン製品で、同社が官庁や学校・ビルなどに展開している。
エネブリッド可変レール仕様
エネブリッドは軽量なうえ、カーテンレールの仕組みが太陽光パネル設置の際の建物への影響を軽減する。また、設置が簡単で、従来のようにコンクリート架台基礎を施工する大掛かりな工事を必要とせず、工期短縮とコストダウンを実現できる。
エネブリッドが誕生した背景には、アーキヤマデの屋上シート防水メーカーならではの視点があった。
一般的に、太陽光発電システムの設置工事は建築工事後に行われるケースが多い。しかし、中には屋根や防水の知識が乏しい施工業者の固定工事が原因で、漏水事故が起こるケースが少なからずあるという。同社では、これまで培った防水技術をもとに、水密性を十分に確保しながら無理なく太陽光パネルの固定作業ができる仕組みを探求。防水シート同士の接合相性が良い点に着目して、防水シートと同質の素材を使った連結ディスクを開発した。
だが、エネブリッドの強みはそれだけではない。「エネブリッド可変レール仕様」の最大の特徴は、太陽光パネルを上下に開閉できる点だ。
同製品は、固定ボルトを外すとモジュールパネルが起き上がる仕組みになっている。モジュールパネルの定期健診では、特に「ホットスポット」と呼ばれるパネル裏面の焦げの発見が重要だ。従来工法では、パネルを1枚1枚外して確認しなければならなかったが、エネブリッドの場合、ボルトを外してパネルを起こすだけで簡単に確認できる。屋根の防水改修工事が必要な場合も同様だ。ボルト1つで作業の手間や時間を大幅に短縮できるというわけだ。
「エネブリッド可変レール仕様」は、その防水性能と作業性により、太陽光発電システム設置に携わり現場を最もよく知る電設業者を中心に、大きな反響を呼んでいる。