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環境 新製品:排水処理設備「分離膜型ハイキューブシステム」/日新電機

環境ビジネス編集部

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分離膜を採用し、排水処理設備を従来の約1/2に小型化!
食品工場など、有機濃度の高い排水に効果あり

日新電機は食品工場向けの排水処理設備「分離膜型ハイキューブシステム」を発売した。

同社が開発・販売を行うハイキューブシステムは、天然火山礫(れき)を加工した接触材を用いた接触曝気式排水処理設備で、有機濃度の高い食品工場などの排水処理を得意とする。生物の生息環境を制御することで、処理能力の向上や余剰汚泥の発生量低減に効果があると、ユーザーに定評がある排水処理システムだ。

ハイキューブシステム

ハイキューブシステム(接触材充填時)


今回発売した「分離膜型ハイキューブシステム」は、従来のハイキューブシステムの沈殿槽の代わりに分離膜槽を設けることで、システムの小型化に成功した。

分離膜とは、固体と液体を分離するために用いる膜で、その採用には克服しなければならない課題があった。排水処理を行う場合、液体を分離する際に膜の表面に固形物層が形成されてしまう。その固形物の粘性が高いと、膜面の固形層に斑が発生して圧力損失が大きくなり、安定して稼動させるのが難しくなるのだ。そのため、膜面の固形物を定期的に剥離させる必要があった。

「分離膜型ハイキューブシステム」では、逆流洗浄や薬品洗浄の機能を追加して固形物を剥離させることに成功。分離膜には住友電工ファインポリマー社製のPTFE製中空糸膜を採用した。この中空糸は、独自の加工技術により75%の高気孔率を実現、高い透水性能を発揮する。ろ過膜は100%PTFE樹脂で構成されており、高濃度・高アルカリを含む様々な薬品洗浄が可能なうえ、性能回復性にも優れている。薬品洗浄に十分耐え、長期間使用できる膜となっている。

さらに、より高濃度・高負荷な排水でも安定した運転を保持できるように、ハイキューブシステムで培った生物の生息環境を制御する技術と知見を活かした運転条件の絞込みを行った。

こうして完成した「分離膜型ハイキューブシステム」は、食品工場の80%で使用されている標準的な活性汚泥法に比べて、同等能力の処理施設面積を約1/2に縮小できる。生物処理槽の体積でみると約1/5に小型化できることになる。また、除菌可能な分離膜を採用したことで、処理水は中水として再利用できるようになった。

日新電機にはすでに多くの問い合わせが寄せられているが、食品工場以外の分野からの問い合わせも届いており、今後は他業種にも市場が広がりそうだ。

 
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