環境経済学で考える国立公園、世界遺産の環境価値

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国立公園、世界遺産は「タダ?」

近年、国立公園や世界遺産に対する社会の関心が高まっている。全国の国立公園には毎年3億人を上回る観光客が国内外から訪れている。また新たな国立公園として慶良間諸島国立公園(2014年)、妙高戸隠連山国立公園(2015年)が新設され、さらに2016年には、やんばる国立公園が新設される予定である。国内の国立公園には海外から多数の観光客が訪れているが、環境省は日本の国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化することを目指した「国立公園満喫プロジェクト」を2016年5月に開始した。現在の国立公園利用者のうち外国人観光客は年間430万人と推定されているが、このプロジェクトでは2020年までに1000万人まで増やすことを計画している。2016年7月には、全国の国立公園に先駆けて外国人観光客誘致の取り組み強化を開始する8カ所の国立公園が選定された。

一方、世界遺産については、2013年に富士山が世界文化遺産に登録されたことから、改めて注目を集めるようになった。国内の世界自然遺産には、屋久島(1993年登録)、白神山地(1993年登録)、知床(2005年登録)、小笠原諸島(2011年登録)があるが、屋久島と白神山地は世界遺産登録前後から観光客数が急増した。富士山に関しては登山者数の抑制や登山者の安全確保を目的に入山料が導入され注目を集めた。

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