COP22、トランプ大統領誕生により、波乱の幕明け

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昨年11月7日から18日の間、歴史的な判断が行われたパリ合意以後、初めてのCOPが開催された。政府の交渉官として参加した島田久仁彦氏に、会議で話し合われた内容や世界各国の温度感、トランプショックを受けて目まぐるしく変化する各国の対応などについて会議の模様をご寄稿いただいた。

初日は祝賀ムードで開幕

marrakech 2016

11月7日から18日までモロッコ・マラケシュで開催されたCOP22に今回も日本政府代表団の一員として参加させていただいた。パリ協定が、大方の予想に反して、その会合から1年足らずで発効することになり、今会合からCMA1(パリ協定第1回締約国会合)も開催されることとなった。会議直前の11月4日に正式にパリ協定は発効したが、日本ではニュースでも多く取り上げられたように、批准が遅れてしまい、締約国としての参加には間に合わない結果になり批判の声も多かったが、そのCOP22/CMP12/CMA1とはどのような会合だったのだろうか。COP22を私なりに表現すると、交渉そのものは気のせいか少し緩い雰囲気で進められたが、会議全体はお祭りとショックが入り混じったジェットコースターのような心境であった。初日はパリ協定の発効を祝う祝賀ムードで幕を開けた。今年夏に新たにUNFCCC事務局長に就任したエスピノサ元メキシコ外務大臣は「めでたい」と祝意を述べる一方、「本当に大事なのはパリ協定の実施」と、COP22で行われる交渉に対して大きな期待を寄せた。

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