地域の「総合サービス業」でSDGsの裾野を広げ、課題を解決

  • 印刷
  • 共有

今年1月に合併により誕生した「浜松いわた信用金庫」。経営理念の中核にSDGsを据えており、大きな話題となった。そのなかで中心となってSDGsを推進するのが、SDGs推進部 SDGs企画課 課長の竹内 嘉邦氏。「SDGsプロジェクト研究」第1期生として、この1月からSDGs達成に貢献する新事業を開発すべく奮闘中だ。

浜松いわた信用金庫 SDGs推進部 地方創生戦略推進室 調査役 竹内嘉邦(Yoshikuni Takeuchi)
浜松いわた信用金庫
SDGs推進部 SDGs企画課 課長
竹内 嘉邦氏

合併でSDGs推進役になったが…

合併した浜松信用金庫、磐田信用金庫とも、営業基盤は製造業が盛んな静岡県中部から西部地域。近年、グローバル規模での技術開発競争・生産拠点の流出などの課題を抱えており、両庫ともその地域の課題に共通の危機意識を持っていた。

合併後の預金高は全国的に見てもトップクラスの規模となったが、そもそも、両庫とも合併前から健全性は高い。まさに、地域の先を見据えた、攻めの合併がなされたといえるだろう。

今でこそ庫内で最もSDGsに詳しく、『地域のSDGsの伝道師』として地域の企業や学校から、SDGsに関する相談や講演などの依頼が殺到する竹内氏だが、「昨年末の時点では、SDGsという言葉を知っている程度だった」という。

企業の合同勉強会にSDGs出張講師として出向く竹内氏。
企業の合同勉強会にSDGs出張講師として出向く竹内氏

「SDGsプロジェクト研究」(以下研究)への参画は、同じくSDGs推進役となった同僚の勧めだったが、研究では「とにかくほかの研究員の熱量に圧倒された」(竹内氏)という。「講師の先生だけでなく、研究員も新しい事業を開発するのだという強いミッション意識とパワーがあり、話の一つひとつが自分の糧となっている」(竹内氏)。また、それぞれが持ち寄る事例を共有しあえることも魅力のひとつ。「持ち帰って、職員や地域のお客様に伝えることもできる」(竹内氏)と業務への落とし込みを実践している。

まずは従業員2,000人への『腹落ち』を

研究員として学び始めて4カ月。竹内氏は取り組みの第一歩として、「職員約2,000人にSDGsを『腹落ち』させること」をミッションとして掲げる。

まずは、この4月より、経営企画部と協働し事業計画にSDGsを盛り込んだ。また業績の評価指標にも「SDGsへの取り組み」を組み込むことで、職員のSDGs理解・実践を目指す。

同庫は「地域の総合サービス業」を掲げ、地域と顧客の課題解決を事業の中心に据えるが、竹内氏は「SDGsは課題解決の入口。SDGsのアンテナを高く持つことが、お客様の課題解決にもつながる」とその意義を述べる。

カリキュラムは1年で修了するが、「来年も引き続き、新たな職員が参加できれば」と語る竹内氏。地域密着産業である信用金庫にとって、地域が活力を持ち続けることは不可欠だが、「ひとりでできることには限りがある。より多くの職員が、SDGsを地域に落とし込むスキルを身に着け、今まで自分たちを応援してくれた、地域に恩返しをしていきたい」(竹内氏)と今後の抱負を語った。

※SDGs総研では7月、8月より新たなSDGs新事業プロジェクトを開始致します。
ご関心のある方は下記より説明会へお申込みください。詳しくはこちら

この記事にリアクションして1ポイント!(※300ポイントで有料記事が1本読めます)

関連記事