走り出した洋上風力発電事業。日本政府は2030年に10GW、40年には30~45GWの導入目標を掲げており、再エネ拡大の切り札として期待が高まるが、沖合に浮体式風力を数百基建てるという前例のない取り組みであり、課題も多い。電力の安定供給に向けた洋上風力発電の拡大普及やコスト低減に向けて、大きな障壁となる日本固有の気象・海象条件に我々はどう対応していくべきなのだろうか。
普及拡大への切り札ドップラーライダー導入には日本独自のノウハウ構築が不可欠
洋上風力発電の事業性を評価するためには、洋上の風況を高精度で観測しなければならない。信頼性の低いデータに基づいた事業性評価は、コストアップや事業の打ち切りにつながり得る。欧州では、国が多大な費用と時間をかけて、洋上に風況観測タワーの建設をすることで同問題を解決してきたが、日本ではその手法をそっくりそのまま導入する必要はない。我が国の海域は浅瀬が少なく、また地域や漁業者への配慮も必要であり、事業者は容易に観測タワーを建設することができない。それに代わる手法として注目され始めたのが、ドップラーライダーだ。欧州で最初に導入された同機器は、空気中の微粒子からの反射波により風向・風速を測定できる技術である。
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