従来、主に化学肥料や工業用途の原料として使用されてきたアンモニアは今、次世代エネルギーのひとつとして期待されている。アンモニアの分子式はNH3であり、窒素と水素から構成されており炭素(C)を含まない。このため当初は、脱炭素エネルギーの1つである水素の「キャリア(輸送媒体)」としての役割が期待されていた。水素はそのままでは大量輸送が難しいため、一旦アンモニアに変換して輸送し、使用時に水素に戻すという使い方である。
現在、特に注目されているもうひとつの使い方は、アンモニアを燃料として直接燃焼させる方法である。アンモニアは燃焼時にはCO2を排出しないことから、カーボンフリー燃料として位置づけられており、第6次エネルギー基本計画の中でも新たな火力発電燃料として期待されている。