COP26以降、注目を集めるカーボン・クレジット市場。しかし、価格・内容はまちまちで認証機関も乱立するなか、自社の目的に合致した質の高いクレジットを選んで購入することは難しい局面にある。日本国内における排出権取引制度の現状と今後の方向性について、伊藤忠総研副主任研究員の岩坂英美氏に聞いた。
まずは自主的な取り組みから
排出権取引制度として一番に頭に浮かぶのは、キャップ&トレード(排出量の上限を定めて取引する)原則に基づいた欧州のEU-ETS。日本では、一部、東京や埼玉で緩やかなキャップ&トレード制度を導入しているものの、政府がキャップをはめるカタチで規制し、それを超える分と足りない分を取引するという明確な市場はないのが現状。国として、キャップ&トレードを導入するか、炭素税を課すかは議論中だ。
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