住友商事は蓄電池ビジネスをどう育てたのか 『開拓者』に聞く
シリーズ「PIONEERS~開拓者たち 環境経営をイチから成功させる方法」第2回。今回は住友商事で草創期から蓄電池ビジネスに携わってきたゼロエミッション・ソリューション事業部長の藤田康弘氏に、その苦難の歴史と、蓄電池事業の可能性について話を聞いた。

ゼロエミッション・ソリューション事業部長
藤田康弘氏
新会社を設立、しかしそこには藤田氏の姿はなかった
1992年に住友商事に入社した藤田氏。蓄電池との出会いは2007年、東京本社スペシャリティケミカル部時代。住友商事は当時、リチウムイオン電池材料(正極・バインダー等)の輸出において、取扱量国内No.1だった。しかし藤田氏は、「トレードビジネスだけではいつか限界が来る。新しい仕組み、枠組みを作りたい」と考えていたという。
そんな折、日産が世界に先駆けEVの量産をグローバルに立ち上げることを決定した。
「EVにバッテリーが使われれば、生産規模が、それまでのPC用や携帯用から桁違いに増えることが予想されます。そこで、電池のリユース事業を発想しました」