海洋資源の持続的な利用で経済効果と脱炭素を実現 海洋大国日本のブルーエコノミー

注目集まるブルーエコノミーの世界動向を分析 日本が描く戦略とは

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グリーンエコノミー(環境に優しい経済)に続く持続可能な経済発展の在り方として、「ブルーエコノミー」への注目が高まっている。日本は海に囲まれた島国で、海を利用してきた歴史と豊富な資源、さらには水の災害と向き合ってきた経験もあり、日本の技術を発展させ、世界へ発信していくことが求められている。ここでは、ブルーエコノミーの基本的な概念と歴史、日本の動きなどについて解説する。

脱炭素と生物多様性保全を両立

「ブルーエコノミー」とは、海洋資源の持続的な利用を通じて海洋環境を保全しながら経済発展を目指すという考え方や、海洋や沿岸部での経済活動そのものことを指す。後者の場合は水産業、港湾事業、運輸、海底資源採掘、観光レジャー、洋上風力発電などがそれに当たる。

ブルーエコノミーの概念 (出所:笹川平和財団 海洋政策研究所)
ブルーエコノミーの概念 (出所:笹川平和財団 海洋政策研究所)

ブルーエコノミーの考え方は20世紀に入ってから確立されてきたもので、2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)で「ブルーエコノミー」という言葉が使われ出したといわれている。

その後、2014年に国連環境計画(UNEP)が「ブルーエコノミーの概念書」を公表。ブルーエコノミーを、海洋資源に頼る世界において、低炭素、資源効率、社会的包摂の原則に基づき、「環境リスクや生態系の劣化を顕著に減らすことで人々の福祉と社会的均等を改善するもの」と定義した。

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