科学的アプローチで海洋に関する問題に対峙し、「新たな海洋ガバナンスの確立」を目指す海洋政策研究所。海洋経済の持続的な発展を目指し、新たな価値創造手段である「ブルーカーボン」に注目する。笹川平和財団を母体とする同研究所の概要や取り組みを、上席研究員の渡邉 敦氏に聞いた。
海から新しい価値を創造
1986年に設立し、民間財団ならではの自由な発想と手法で、国内外さまざまな関係者と協力しながら、国際社会の課題解決に向けた活動を幅広く行う笹川平和財団。海洋政策研究所は、同財団の一部署として、総合的な海洋政策に関する研究を行うシンクタンクという位置づけで活動している。
同財団・海洋政策研究部 上席研究員の渡邉 敦氏は「海洋政策研究所では、財団のミッションとも重なる『海洋を通した平和な世界の実現』という大きな目標に向かい、4つの活動をしています」と話す。
1つ目が、シンクタンクとして正確な情報を収集・分析し、海洋の新たな価値創造やリスク軽減につなげていく活動。2つ目が、国や国際社会へ向けた政策提言をはじめとする海洋分野の情報発信や対話の促進。3つ目が新たな政策・技術の途上国などへのフィードバック。そして4つ目が、海洋に関わる人材の育成だ。なかでも渡邉氏は、1つ目の活動を主に担っている。
「海洋分野の新たな価値創造という意味で、わかりやすいのがブルーカーボンです」
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