「環境視点」で見たクルマの電動化 BEVですべてが解決できないワケ
脱炭素の切り札、そして環境対応の主役とみなされているクルマの電動化について「環境視点」から解説する本連載。第1回では電動化で引き起こされる、クルマという商品の価値全体の変化について説明した。第2回は、ハイブリッド式EV(HEV)からバッテリー式EV(BEV)などさまざまな電動化の方式について、その特徴や長所・短所を環境視点でまとめた。電動車全体を俯瞰すると、BEV化だけで解決できない課題が見えてきた。
(『環境視点』で捉えたクルマの電動化 第2回)

「環境対応自動車」の代名詞であったHEV
20年ほど前までクルマは、エンジン(内燃機関)のみで走ることが一般的だった。しかし、燃費を向上させる目的で、電動モーターを使ってエンジンを補助するHEVの開発が進み、1997年にはトヨタが世界で初めての量産型HEV車「プリウス」を発売した。HEVシステムの熟成に伴い、プリウスは「環境対応自動車」の代名詞となり、ハリウッドのセレブリティなども好んで乗るクルマとなった。