産総研、水素製造を低コスト化へ、太陽光を用いた新技術を開発

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産業技術総合研究所は、将来低コストの水素製造が期待できる、太陽光を用いた新しい水素製造の技術を開発したと発表した。本研究開発では、酸化物半導体光電極を用いた水分解による水素製造において、高性能な積層光電極を用いることで、太陽エネルギー変換効率1.35%を達成した。本技術は将来の水素製造の低コスト化が期待できる技術として注目されている。

これまで産総研では、日本発の太陽エネルギー変換技術である、酸化物半導体光電極を用いた水分解による水素製造技術の研究開発を行ってきた。今回は、電荷再結合抑制と光吸収増大の観点から、3種類の酸化物半導体膜を多重に積層することなどによって変換効率を大幅に向上することに成功した。炭酸塩電解液中で、この光電極を重ねて用いることで、太陽エネルギーを水素エネルギーに変換する反応について、1.35%の太陽エネルギー変換効率を達成。この値は従来報告されている変換効率の約2倍となる。本技術は水素製造の際の電解電圧を4割以上低減できるもので、低い補助電源電圧で水を分解して水素を生成できるので水素製造の低コスト化につながるとされている。

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