東京大学と名古屋大学の研究チームは、近年発見された、海洋細菌が有する新しい光エネルギー利用機構であるプロテオロドプシンの機能について、初めて直接測定することに成功したと発表した。これは光エネルギーを使って炭酸ガスを固定するクロロフィル型の光合成とはまったく異なる光エネルギー利用のしくみで、本研究では、海洋細菌が実際にこの新しいしくみを用いていること、またその量が海洋生態系のエネルギー循環に対して大きな割合を占めていることを明らかにした。
プロテオロドプシン(PR)は、2000年に海洋細菌の間に広く分布していることが発見された新たな光受容タンパク質。それまでは、植物プランクトンや海洋細菌の活動に必要なエネルギーは、そのほとんどが海洋表層での光合成を通じて得られる光エネルギーに由来すると考えられていた。