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2020年の電力貯蔵向け電池市場は11年比1.9倍に拡大

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総合マーケティング会社の富士経済は、電力貯蔵・動力分野の電池世界市場を調査した結果を発表した。これによると、スマートグリッドの本命である電力貯蔵向け電池市場は2020年に2011年比1.9倍の5437億円となる見通し。参入各社が相次ぎ実証を行い、実用化の動きが本格化すると予測する。

2020年の動力分野向け電池市場は、2011年比2倍の6815億円となる見通し。電力貯蔵分野と動力分野を合わせた2020年の電池市場は、2011年比195.9%の1兆2252億円となる。

電力貯蔵分野は、系統安定化分野での蓄電デバイス市場の拡大が見込まれる。再生可能エネルギーの導入拡大に伴う系統システムへの影響緩和や、世界的なスマートグリッド・スマートコミュニティプロジェクトにおけるエネルギー利用効率化の進展が背景にある。2011年は電力貯蔵分野の1割にも満たないが、2020年には4割近くまで拡大するとみている。UPSなどの非常用電源分野は、日本国内においては東日本大震災の発生を受け、バッテリー搭載への意識が高まり、今後数年は安定した成長が予測される。

動力分野は、中国をはじめとする新興国におけるインフラ整備などにより、建設機械などの産業用車両の需要が大きく拡大すると見通し。また、日米欧で2011年秋より段階的に開始された環境規制強化を背景に、産業用車両ではハイブリッド式やバッテリー式の開発が積極的に進んでいる。今後建設機械でも普及が期待されており、蓄電デバイス市場の拡大が予測される。

本レポートでは、注目製品とその蓄電デバイスの動向として、「住宅用蓄電システム」「大規模電力貯蔵システム」「建設機械(油圧ショベル・ホイールローダ)」について紹介している。

「住宅用蓄電システム」は、2020年の市場は70500台(2011年比1.6倍)となる見通し。本システムは非常用電源と自家消費用途に分かれる。蓄電デバイスは、電池の特徴と用途により、非常電源用途で採用される鉛電池、逆潮流対策や自家消費用途で採用されるリチウムイオン電池と棲み分けが図られると予測する。2020年の蓄電デバイス市場は、鉛電池が84億円(2011年比91.3%)、リチウムイオン電池が135億円(同比17倍)、全体で219億円(同比2.2倍)となる見通し。

「大規模電力貯蔵システム」は需要家設置と系統設置に分かれ、需要家設置は商用電源や自家発電機と連携し負荷平準化を目的に、系統設置は発電所や変電所の負荷平準化やスマートグリッド等の用途にて使用される。系統側に設置される電力貯蔵システムの市場は、2013年頃までは実証実験やモデルケースとしての採用が中心となるが、米国や中国などの方針が固まり次第飛躍的に市場が拡大すると予測する。需要家側に設置される電力貯蔵システムの市場は、日本特有の市場であった。電力需要の増加に対して系統側の発電設備の設置が追いついていないこと等を背景に、世界的に需要が顕在化しつつある。

本システムにおける2020年の蓄電デイバス市場は、鉛電池が176億円(2011年比88倍)、NAS電池が1081億円(同比68倍)、その他電池が112億円(同比-)となる見通し。ニッケル水素電池・リチウムイオン電池は商用化には至っていないが、開発・実証試験が盛んに進められており、製品化は2015年以降になるとみている。

2020年の建設機械市場は、316300台(2011年比1.2倍)となる見込み。建設機械は高負荷作業を担うため、出力密度、充放電特性、耐用年数などで他の電池より優れる電気二重層キャパシタの導入が最も進んでおり、2020年の蓄電デバイス市場では、電気二重層キャパシタが374億円(2011年比5.8倍)で市場の98%を占める。なお、フルバッテリー式の建設機械は研究開発の段階にあり、リチウムイオン電池の採用が見込まれている。

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