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国内企業のバイオマス利活用市場は再成長、15年度は2.1倍に拡大

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総合マーケティング会社の富士経済は、再成長が期待される国内企業のバイオマス利活用市場を調査した結果を発表した。これによると、2015年度の同市場は、2010年度比2.1倍の2579億円になる見通し。同市場は、3.11後、分散型エネルギー源としての注目度が高まっており、技術開発の進展と利用ニーズの合致、特に支援体制の本格化によりふたたび新たな成長期を迎えると予測する。

本市場は、日本企業の世界市場および外国企業の国内市場を対象としている。2015年度の市場の内訳は、バイオマス利用技術(装置・プラント)が813億円(2010年度比211.2%)、バイオマス由来製品が1766億円(同比212.2%)となっている。

2012年度以降、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」の施行により、バイオマスエネルギーの利用が増加する見込み。林地残材などの未利用バイオマス原料が同制度の適用対象となる可能性が強く、林内路網整備や林業機械整備などを進め、山から林地残材などを供給し易い環境が整備され、エネルギー化施設が増加していくとみている。また、バイオマスプラスチックは、ポリマーの種類の拡大と機能性向上、価格低下など製品として普及する条件が整い大幅な市場拡大を予測する。2018年度頃には藻類・微細藻類を利用するバイオ燃料の実用化が期待されており、バイオマスの種類、利活用技術の広がりがさまざまな波及効果を生み市場として大きく成長していく見通し。

関係法令も、国産材利用促進といった川上の支援策から、固定価格買取制度による川下支援体制まで整えられつつある。2011年度には、2004年度施行の「バイオマスタウン構想」を引き継ぐ「バイオマス活用推進基本計画」が決定、また「再生可能エネルギー法」成立に伴い、各関連省庁のバイオマス予算が回復するとともに、再生可能エネルギー関連の予算が急増している。さらに2012年度予算(概算要求)には、東日本大震災復興予算として復興地域循環資源徹底利用促進事業、再生可能エネルギー利活用促進事業などが加えられて大幅な予算拡大が予想されている。

注目市場として、「藻類・微細藻類培養関連技術」「ペレットストーブ+木質ペレット」「バイオマス由来電力」「バイオエタノール」をあげた。「藻類・微細藻類培養関連技術」は、2009年度以降、参入する自動車部品メーカーや化学メーカー、プラントメーカーなどが大学の研究機関やベンチャー企業と組むケースが増えている。2015年度以降パイロットプラントが建設され、バイオ燃料の生産開始は国内では2018年頃とみている。このバイオ燃料は、イニシャルコスト、ランニングコストとも既存の燃料と比べて大幅に高いため、普及支援の政策による価格補助や藻類由来バイオ燃料の引き取り義務化など何らかのインセンティブが市場確立に必須だと指摘する。

「バイオエタノール」は、現在、石油業界が進めるETBEと政府(環境省)が進めるバイオエタノールの直接混合方式が混在している。2010年度の市場は、ETBE混合のバイオガソリンの販売量が飛躍的に伸びた結果、37万kL、501億円(前年比4.6倍)となった。2015年度には1190億円(2010年度比2.4倍)の市場規模に達すると予測する。今後、ETBEかE3(エタノール3%混合ガソリン)か等、消費者の混乱を避けるため、国内のバイオ燃料導入政策を統一する必要がある。車両については、E10(エタノール10%混合ガソリン)対応車への取り組みがスタートしており、バイオエタノール導入量の増加は間違いないとみる。バイオマス由来製品で共通する課題は、製品の低価格化、販売体制の構築(原料調達や需要先の確保)、製品の高品質化が挙げられるが、地球温暖化防止対策、資源の有効活用の観点からも重要な位置付けにあり、市場拡大を予測する。

「バイオマス由来電力」の15年度の市場は、発電量418万MWh(2010年度比105.9%)、228億円(同比108.1%)となる見込み。再生可能エネルギー(電気)は、「電気としての価値」と温室効果ガス排出削減の「環境付加価値」があり、この付加価値を証書で取引するグリーン電力がある。2012年のFITによってこれまでより高い買取価格が設定されれば、バイオマス発電事業の事業性がさらに向上すると予想され、一度は低迷したバイオマス利活用市場の活況が期待される。

「ペレットストーブ」の2015年度市場は、3600台(2010年度比44%増)、12億円、「木質ペレット」は10万トン(同比8.7%増)、31億円となる見込み。

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