理化学研究所、ポリ塩化ビフェニルを完全分解するマイクロチップを開発

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理化学研究所は、高分子パラジウムナノ粒子触媒膜を用いた、芳香族有機ハロゲン化物処理用のマイクロチップを開発した。この研究では、マイクロチップ上の流路に高分子パラジウムナノ粒子触媒膜を初めて導入。ポリ塩化ビフェニル(PCB)など有毒な芳香族有機ハロゲン化物の脱ハロゲン化を滞留時間8秒で完了させるとともに、10~1000ppmという超低濃度PCBでも、100%の収率で脱ハロゲン化させることに成功した。

PCBやポリ臭化ビフェニル(PBB)などの芳香族有機ハロゲン化物は、熱に強く、電気絶縁性に優れ、化学的に安定していて分解されにくい性質を持つ物質。そのため、電気機器の絶縁油や熱交換機の熱媒体などに使用されてきたが、人体への毒性が強く、がんや皮膚疾患、肝機能障害等の原因となるため、現在は生産が中止されている。また、その処理施設の設置がなかなか進まず30年以上にわたり貯蔵されたままとなっていて、PCBのにじみ、漏れ、機器内部の炭化などの劣化といった問題が懸念されている。

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