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大手メーカー、相次いでリチウムイオン電池部材事業を強化

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今後、急拡大が見込まれるリチウムイオン電池(LiB)市場において、部材の製造を行うメーカー等が相次いで事業を強化する方針を発表した。三井造船と戸田工業は、中大型LiB正極材用のリン酸鉄リチウム(LFP)の製造で提携する。旭硝子(AGC)は、LiB正極材の製造・販売拠点を中国に新設し、生産能力を倍増させる。また、宇部興産は、米ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーと、LiB向け電解液の製造及び販売等を行う合弁会社を米国ミシガン州に設立した。

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三井造船と戸田工業は、共同で年間2100トンの中大型LiB正極材用のリン酸鉄リチウム(LFP)製造の生産設備を三井造船千葉事業所内(千葉県市原市)に建設し、事業化を開始する。新設するLFP製造プラントは、2012年度に商業運転を開始する予定。

製造するLFPは、安全性が高く、急速充放電が可能、レアメタルを使わない、電池寿命が長いなどの特長を持つ強固な結晶構造の正極材。三井造船は、パイロットプラントでの研究等を経て、2009年に年産36トンのセミコマーシャルプラントを建設、本年7月にはLFPなどのリチウムイオン電池正極材料をワールドワイドに製造・販売できる特許実施権をLiFePO4+LicensingAG(スイス)から取得している。

一方、戸田工業は、LiB正極材メーカーとして、多種の正極材製造販売の実績がある。現在、マンガン酸リチウム(LMO)、ニッケル酸リチウム系(LNCA)、ニッケル・コバルト・マンガン酸リチウム系通称三元系(LNCM)を事業化しており、今回の提携により、LFPの事業にも参入する。

両社は、事業化検討の為に、本年6月に資本金1億円で設立していたM&Tオリビン(資本出資比率:三井造船51%、戸田工業49%)を製造・販売会社とし、このほど増資した。2社の協業によるシナジー効果により拡販を図る。

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AGCが中国に新設するLiB正極材の製造・販売拠点では、子会社のAGCセイミケミカルが、中国のLiB正極材メーカーを子会社化し、2012年4月頃に生産を開始する予定。これにより、同社グループにおける同製品の生産能力を倍増させる。

同社グループでは、1990年代後半にLiB正極材事業に参入し、日本国内で生産を行ってきた。今回、子会社化する新社は、同社グループにおけるLiB正極材の海外初の拠点となる。新会社の資本金は1.5億人民元(約18億円)。出資比率はAGCセイミ51%、江蘇凱力克鈷業股?41%、長瀬産業5%、上海信銘国際貿易3%。

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宇部興産とダウの合弁会社名は「AdvancedElectrolyteTechnologiesLLC(アドバンスド・エレクトロライト・テクノロジーズ)」。出資比率は、宇部興産が50%、ダウが50%。12月から営業を開始する。また、合弁会社は今後順次、米国・中国・欧州に電解液の製造設備を有する子会社を設立する予定。

LiB市場は、プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)などの車載用途や、スマートグリッド及び電力平準化定置型蓄電池用途として、世界的に大幅な需要拡大が見込まれている。矢野経済研究所の調査によると、2015年まで年平均21.7%で拡大する見通し。Libの主要部材である正極材市場は、2010年には民生用を主体に年間4万トンの規模に達しているが、2020年には年間約30万トンの規模に拡大することが予想されている。

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