> > 各種発電コストの試算が発表、原子力に競争力、太陽光は割高に

各種発電コストの試算が発表、原子力に競争力、太陽光は割高に

記事を保存

政府のエネルギー・環境会議は、13日に開催されたコスト等検証委員会において、原子力や石炭火力など電源別の発電コスト試算を資料として配布した。これによると、事故対策費やCO2対策費を含めても、原子力、火力石炭、LNG火力発電に依然高いコスト競争力があることがわかった。

電源別の発電コスト試算では、原子力が8.9円以上/kWh、石炭火力は2010年モデルプラントで9.5~9.7円/kWh、2030年モデルプラントで10.8円~11.0円/kWh、LNG火力は2010年モデルプラントで10.7~11.1円/kWh、2030年モデルプラントで10.9~11.4円/kWhとなった。原子力は2004年の試算からは約5割高となったが、低コストの水準となった。石油火力も、CO2対策費用と燃料費上昇により、2004年の試算より5割以上アップし、2010年モデルプラントで36.0~37.6円/kWh、2030年モデルプラントで38.9~41.9円/kWhとなった。

太陽光は2010年モデルシステムで30円/kWh以上、陸上風力は安いケースでは2010年モデルプラントで10円/kWh程度、2030年モデルプラントで9円/kWh程度で、原子力、石炭、LNGと同等のコストになりうると試算された。地熱は8.3~10.4円/kWh、一般水力の発電コストは10.5円/kWh、小水力の発電コストは19.1~22.0円/kWhとなった。また、バイオマス発電は、石炭火力発電所に未利用間伐材のチップを燃料として投入する石炭混焼と、未利用間伐材のチップ専用の発電施設で発電する木質専焼2種類の発電コストを試算し、石炭混焼は9.4~9.7円/kWh、木質専焼は17.4~32.2円/kWhとなった。

太陽光については、2010年モデルシステムでは他の電源と比べても、高い水準となった。2030年には量産効果などにより、大幅に価格が低下し、現在の2分の1から3分の1にまでコストが下がることが期待される。実現すれば、石油火力よりも安い水準となる。但し、太陽光の導入が拡大してきた場合、将来、配電系統における電圧変動抑制対策など、系統安定化のための追加的な投資が必要となる。また、住宅用でも、メガソーラーでも、既存の揚水発電所の活用や蓄電設備併設を含め電力システムの需給調整力の向上により、昼間しか出力しない、出力調整ができないなどの太陽光発電の課題を解決する可能性も出てくる。住宅のヒートポンプ給湯、電気自動車の充電などによる調整を利用すれば、蓄電機を別途付ける量も低減できる。現時点では、蓄電コストは高く、今後、どの程度低下するかが導入拡大の鍵を握るとしている。

風力のうち、洋上風力については、資本費を陸上風力の1.5~2倍と見込み、2020年モデルプラントで9.4~23.1円/kWh、2030年モデルプラントで8.6~23.1円/kWhと試算された。今後のイノベーション次第では、コスト低下も期待できるとしている。

本委員会では、検証の目的として、今回の東電福島第一原発の事故を踏まえた「原子力発電のコストの徹底検証」、原発への依存度低減のシナリオを検討するにあたり、現在はまだ主要電源とはなっていない再生可能エネルギーやコジェネなども含めた「原子力以外の電源のコストの再検証」、革新的エネルギー・環境戦略の策定に向けて、「来春に提示する原発への依存度低減のシナリオを検討するための客観的データの提供」の3つを掲げる。

今回の試算では、これまでの原子力や火力などの発電コスト試算とは異なり、再生可能エネルギーやコージェネレーションなどの新たな電源、さらには省エネルギーに関しても試算を行った。また、発電コストのみならず、事故リスク対応費用やCO2対策費用、政策経費などのいわゆる社会的費用も加味するなど、徹底的な検証を行った。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.