大成建設などシアン汚染土壌のサイト内完全浄化システムを開発

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大成建設は、東邦ガスと共同で、洗浄水中に添加剤を加えることにより、シアン汚染土壌を汚染サイトの外に持ち出すことなく完全浄化できるシステムを確立した。同システムは、従来のサイト外搬出処理に比べ、浄化コストを3~4割削減できるのが特長。今後は、ベンゼン・シアン汚染のサイト内での原位置浄化技術として確立している注水バイオスパージング工法と組み合わせ、さまざまな条件のシアン汚染土壌案件に活用していきたい考えだ。

2010年4月の土壌汚染対策法の改正により、汚染土壌の場外搬出が抑制され、今まで以上にサイト内での土壌浄化が求められている。シアン化合物については、飽和層と呼ばれる地下水域より下部の汚染は、注水バイオスパージング工法を用いることによってサイト内での浄化が可能だった。しかし、不飽和層と呼ばれる地下水域より上部の汚染は、一般の重金属と異なり水溶性が高いため、洗浄水に溶け出したシアン化合物が再度土壌内に付着してしまう問題点があり、サイト外へ搬出して処理するしか方法がなかった。今回は、水溶性の高いシアン化合物が添加剤と反応して沈殿物として難溶解性塩を形成することに着目し、その難溶解性塩を回収する方法を組み込むことによって、サイト内での完全浄化を可能にした。

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