宮城県の人工光型植物工場で環境制御の最適化とLED照明利用の実証実験

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みらいと日本GEは、宮城県多賀城市の「みやぎ復興パーク」内に新設する人工光型植物工場において、環境制御の最適化とLED照明を利用した実証実験を今夏より開始する。両社は、先端農業で東北の復興と新産業創出を支援したい考えだ。

具体的には、まず、IT技術を活用した人工光型植物工場内で、光源、温度、湿度、CO2濃度、ph値など環境制御の最適化を行う。みらいが長年積み重ねてきた栽培に関するノウハウをベースに独自開発したソフトウェアと、GE製のセンサや解析システムを中心に、植物工場内における最適な環境制御の実現を目指す。

そして、エネルギー効率・栽培効率など高効率化を図り、短期間内での投資回収などの経済性の確保に向けて、植物育成用LED照明の開発、及び最適な照明設計を行う。GEの照明事業部門が新たな植物育成用LED照明の開発を担うとともに、両社協働で波長の最適化、及び植物栽培の全工程におけるLED照明活用を踏まえた最適な照明設計に取り組む。

みらいは、植物工場専門会社のパイオニアとして、数多くの植物工場のハード及びソフトの技術開発を手がけている。今回の実証実験を通して、野菜の生産性や事業性を実証・評価し、東北地方の復興を支援する事業モデルの確立を目指す。また、地元農業関係者やスーパーと連携するとともに、宮城県多賀城市とも協調して、2013年中には大規模事業フェーズへの移行も予定。将来的には、IT技術を用いた双方向制御システムにより遠隔操作で植物栽培を行い、収穫時の歩留り率90%という高い生産性を実現する植物工場の事業モデルの確立を目指す。

日本GEは、環境・経済を両立させる「エコマジネーション」と、医療・ヘルスケアを対象にした「ヘルシーマジネーション」の2本の柱で、さまざまな問題解決を支援する企業。照明部門では、商業、産業、一般家庭向けの主要な家電製品、照明、システムなどを世界各国で展開している。欧州の大規模農業インフラ整備においてガスエンジンを用いたトリジェネレーション(電気、排熱、植物の光合成を促進させる二酸化炭素を供給するシステム)の実績もあり、今後、日本の先端農業分野で幅広いパートナーシップの構築や技術の活用を模索していきたい考えだ。

なお、今回の実験は、みらいが主体となり日本GEとの協働を通じて実施されるもので、経済産業省 東北経済産業局による東北地方の復興等を目的とした「IT融合による新産業創出のための研究開発事業」と宮城県の補助事業に採択されている。

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