住宅用太陽光発電、全量買取はなし 調達価格等算定委員会

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経済産業省の「調達価格等算定委員会」は、4月11日に第5回会合を行い、住宅用太陽光発電の買取方法については、現行の余剰買取制度を継続するという方針を確認した。

全量買取とすることの課題点として、買取価格の低下、系統負担の増加、すでに住宅用太陽光発電を実施している場合の配線変更についてあげた。買取価格の低下については、余剰買取の場合、買取価格は自家消費が4割、売電が6割という前提で、200万円の太陽光パネルのコスト回収を想定し、現在、住宅用で42円/kWhに設定されている。しかし、全量買取の場合は、100%売電する全体で価格設定を行うため、34円/kWhまで大幅に下がり、太陽光発電システムの購入者にとって、インセンティブとなりえなくなるおそれがあると指摘した。

系統負担の増加については、全量買取の場合、全発電量がいったん系統に逆潮流してくるため、太陽光発電の導入が進んでいくと、系統が容量不足に陥る心配が強まることをあげた。また、そのため、ドイツで自家消費を促すためのインセンティブ導入などを行った事例をあげ、逆潮流対策コストが増加するとしている。

すでに住宅用太陽光発電を実施している場合の配線変更については、100%売電されるためには、現在の太陽光で発電された電気を分電盤経由で自宅内に供給する配線構造を変更する必要がある。そのため、すでに余剰買取を実施している住宅(約90万件)で全量買取に移行した場合、配線工事に要するコストが、日本全体で900億円程度発生するとしている。

また、本会合では、太陽光、風力、地熱などの買取価格や期間など、発電事業者に対して、ヒアリングを行った結果をまとめた資料を配布した。太陽光発電協会は、太陽光発電の買取価格について、非住宅用42円/kW(期間20年)、住宅用42円/kW(期間10年)としている。

参考:経済産業省 - 調達価格等算定委員会(第5回)‐配付資料3(PDF)

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