ローム、電力変換時の損失を大幅低減する新型トランジスタを開発

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今回の開発したSiC(シリコンカーバイド:炭素ケイ素)トレンチMOSFETは、従来のSi(シリコン)-MOSFETに比べて1/20以下、量産化されているSiCデバイスに比べても1/7以下のオン抵抗を達成した。これにより、電力送電網の電力変換から、パソコンやデジタル家電の電源、冷蔵庫やエアコンのインバータ、電気自動車(EV)、鉄道車両に至るまで、身の回りのあらゆる所の電力変換器で発生している電力損失を1/20以下にまで大幅低減することが期待される。また、本技術の応用により、例えば、EVの場合は、インバータ部分や周辺部品の小型化や冷却機構の簡素化などが図れるため、航続距離の大幅改善が実現できるという。

MOSFETは、金属酸化膜半導体(MOS)の構造を持つ、電界効果トランジスタ(FET)。一般的に電力を発電してから各種機器で消費するまでの間には、数多くの電力変換が繰り返されており、この間に多い場合は50%もの電力が失われているといわれている。SiCパワーデバイスは、こうした電力損失を劇的に減らすキーデバイスとして期待されている。従来のSi半導体を全てSiCに置き換えた場合の省エネ効果は、日本国内だけで原発4基分に相当するとの試算もある。

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