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ローム、電力変換時の損失を大幅低減する新型トランジスタを開発

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今回の開発したSiC(シリコンカーバイド:炭素ケイ素)トレンチMOSFETは、従来のSi(シリコン)-MOSFETに比べて1/20以下、量産化されているSiCデバイスに比べても1/7以下のオン抵抗を達成した。これにより、電力送電網の電力変換から、パソコンやデジタル家電の電源、冷蔵庫やエアコンのインバータ、電気自動車(EV)、鉄道車両に至るまで、身の回りのあらゆる所の電力変換器で発生している電力損失を1/20以下にまで大幅低減することが期待される。また、本技術の応用により、例えば、EVの場合は、インバータ部分や周辺部品の小型化や冷却機構の簡素化などが図れるため、航続距離の大幅改善が実現できるという。

MOSFETは、金属酸化膜半導体(MOS)の構造を持つ、電界効果トランジスタ(FET)。一般的に電力を発電してから各種機器で消費するまでの間には、数多くの電力変換が繰り返されており、この間に多い場合は50%もの電力が失われているといわれている。SiCパワーデバイスは、こうした電力損失を劇的に減らすキーデバイスとして期待されている。従来のSi半導体を全てSiCに置き換えた場合の省エネ効果は、日本国内だけで原発4基分に相当するとの試算もある。

ロームでは、こうした流れを先取りし、2010年に世界で初めてSiC-DMOSFETの量産に成功するなど、業界をリードしてきた。1月には、安川電機が、ロームが新規開発したSiC-トレンチMOSFETとSiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)を採用し、大幅な小型化、高効率化を図り、変換効率を2%向上させたEV用モータドライブを開発したと発表。また、ロームは、10月に、EV・ハイブリッド車(HEV)や産業機器向けに、SiCトレンチMOSを搭載した高速・大電流モジュールを、米企業と共同で開発したことを発表している。

今回SiCトレンチMOSFETの技術開発では、基板の厚さを従来の350umから100umまで薄化することにより基板抵抗を約70%低減させたほか、独自のダブルトレンチ構造等の採用により、超低オン抵抗と高耐圧の両立に成功した。なお、今回の成果の一部は、京都大学大学院 工学研究科との共同研究によるもの。

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