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完全人工光型植物工場市場、2014年は10年比6.3%増に拡大

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総合マーケティング会社の富士経済は、農林水産業を取り巻く事業環境の変化を捉え、植物工場、バイオガスプラント(畜産)など35品目の市場について、今年7月から10月にかけて調査した結果を発表した。本レポートでは、農林水産業の生産・加工・流通過程に投入されつつあるIT、メカトロニクス、エネルギーなど先進的なテクノロジーのシステム・プラント、装置・部材の市場動向を把握し、市場の将来を予測した。

今回調査した35品目の市場の内、すでに市場を形成している23品目は、2010年実績286億円、2014年予測では368億円(10年比128.7%)であった。今後、農林水産業の6次産業化が進み、新規企業が参入し、新サービスやハード市場の顕在化が進展するとみている。新たな各市場が有機的に連携・結合すれば、ソリューション関連の全体市場は2020年に1兆円の規模に達すると予想する。

本レポートでは、注目市場のひとつとして、植物工場(完全人工光型プラントタイプ)をあげる。2010年の同市場は16億円、2万m2、2014年は17億円(10年比6.3%増)、2.2万m2(10年比10%増)となる見込み。気象環境次第でさらなる需要拡大もあるとみている。本市場では、クリーンルームやビル、工場内などに設置される完全人工光型植物工場市場を対象としている。2009年に経済産業省や農林水産省の植物工場向け予算が成立して以来、各種補助金の交付により多数の栽培施設が建設され、「第3次」といわれる植物工場ブームにより市場は拡大した。2011年はこの反動がみられるが、植物工場による栽培ビジネスに参入する企業や、新たに栽培プラントの外販に乗り出す企業が多数登場し、市場は活性化している。

このプラントはイニシャルコストやランニングコストの高さが普及の障壁となっている。近年は参入企業の増加で、プラントメーカー間の競争が激化し、各メーカーはコストダウンに取り組んでいる。太陽光発電パネルの併設など自然エネルギーを活用により、イニシャルコストは増加するものの、電気代の削減により長期的なランニングコストの削減を目指す取り組みが見られる。病害虫や細菌が少なく無農薬栽培が可能で、包装や出荷まで一貫して行われることから、今後も食の安心・安全意識の高まりにより注目が高まると見ている。

システム・プラント市場では、10年実績5億円以上の市場として「植物工場(完全人工光型ユニットタイプ)」に着目する。今後も、参入企業は増加し、11年の停滞後、4年間の伸びは31.6%と再び活性化すると予測する。完全人工光型ユニットタイプは小売店、外食店でショーケースとして導入可能で、小さな栽培面積で有効活用が出来ることから、様々な分野からの栽培ビジネスへの新規参入が期待される。

装置・部材市場では、10年実績5億円までの市場として「育成用LED照明」に着目する。植物工場ビジネスが拡大することで、人工光として使用される「育成用LED照明」も4年間の伸びは20%弱になる見通し。植物工場による栽培ビジネスや「閉鎖型循環養殖プラント」などの養殖ビジネスでは、異業種からの参入が多く、基盤事業以外の事業の多角化を理由に参入しているケースが見られる。また、八木町農業公社の畜産バイオプラント、夢創造の閉鎖型循環養殖プラントの事例では、地域の未利用資源を活用することを目的として事業を展開している。

第一次産業では、人手不足、高齢化、経営悪化といった課題を抱えるが、近年、多角的な経営により収益追求を目指す農業法人や、大手流通業、加工業などの異業種参入など意欲的な6次産業化の取り組みが活発化している。また、昨今はTPPにおいて日本における農業のあり方について議論が重ねられており、「食料の安定供給」、「食の安全・安心」、「生産・加工・流通の効率化」などの課題を解決する新ビジネスの創設が強く求められている。従来手法にセンサ技術、制御技術、情報通信技術、ロボット技術、メカトロニクス技術、エネルギー技術などを融合させて、既存の課題を解決することが大きなビジネスチャンスとなると予測する。
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