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日化協、原発依存度を低減する政府のシナリオに意見公表

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日本化学工業協会では、政府が示した2030年の原発比率「エネルギー・環境に関する選択肢」について、意見を取りとりまとめ公表した。今回提示されたシナリオは、いずれも国民生活と雇用に密接に関係する化学産業にとって、国際競争力の喪失、産業の存立、地球温暖化対策への貢献の観点からも大きな問題を持つと指摘。また、シナリオの確実性が明示されておらず、リスク対策も不明で見直すべき点が多いとしている。

政府のエネルギー・環境会議は、2030年度時点の「エネルギー・環境に関する選択肢」として、原発依存度を基準に、「ゼロシナリオ」、「15シナリオ」、「20~25シナリオ」の3つを提示した。日化協は、本意見で、限定された3つの選択肢から選ぶとすればエネルギー減に多様性がある「20~25シナリオ」を選ぶとしている。しかし、いずれのシナリオにおいても、電力コストの大幅上昇により、化学産業の成長性と国際競争力を損なうものであり、ライフラインの維持に不可欠な化学品の供給にも支障をきたすと懸念する。

意見は「生産、雇用への影響について」「地球温暖化問題解決の貢献について」「省エネルギー、再生可能エネルギー導入の実現可能性について」の3つの柱で述べている。概要は以下の通り。

「生産、雇用への影響について」:前提となっている再エネと省エネの実現には多くの障壁が想定され、電力の安定供給に大きなリスクがあると捉える。海外との熾烈な競争に晒されている中、「ゼロシナリオ」「15シナリオ」は安全・安定操業やコスト等において、化学産業の国内存立を危うくする恐れがある。すなわち、国内雇用が大きく減少し、地域経済を直撃する。

「地球温暖化問題解決の貢献について」:化学産業は、照明の高効率化におけるLEDおよび有機ELの材料・部材、省エネ住宅の断熱材・遮断材等、リチウムイオン電池用材料、太陽光発電システムや風力発電システムの部材・材料などの先端材料供給により、世界のグリーンイノベーションをリードしている。電力安定供給リスクは、日本初の先端材料供給を阻害するもので、国内の省エネや再エネの導入拡大にも影響を及ぼす。

「省エネルギー、再生可能エネルギー導入の実現可能性について」:2030年の最終エネルギー消費は原油換算で3.0億~3.1億KLで、2010年の3.9億KLと比較して約2割の削減となっている。この省エネを達成するためには、不確実な要素が多い革新的省エネ技術の開発導入が求められるが、導入に当たり技術開発・経済性・社会的適応性から厳密な判断が必要となる。国家全体のエネルギーシナリオは、家庭、業務、運輸も含めて各部門で実現の裏付けを取り、確度・可能性を考慮した実現可能な省エネ目標を再検証すべきである。また、新たな技術、産業、雇用を生み出すためには、コスト優位で、安定でかつ先進的なエネルギー基盤を構築してくことが求められる。さらに電力供給リスクに備えて、予備電源として既存発電技術と能力を維持しておく必要がある。

参考1:日本化学工業協会 - 「エネルギー・環境に関する選択肢」に関する意見を発表
 参考2:国家戦略室 - エネルギー・環境に関する選択肢(PDF)
 参考3:東京都の意見
 参考4:経団連の意見
 参考5:電気事業連合会の意見
 参考6:日本商工会議所の意見
 参考7:内閣府 - 「エネルギー・環境に関する選択肢」パブコメ募集フォーム(8/12まで)

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