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九州大、気流の「見える化」で風力発電の発電量を調査

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九州大、気流の「見える化」で風力発電の発電量を調査

九州大学応用力学研究所は、九州電力及び西日本技術開発と共同で「非定常・非線形風況シミュレータ(RIAM-COMPACT® リアムコンパクト)を用いた高精度な最適配置選定手法の確立に係わる共同研究」を平成22年より2年間実施してきた。

今回、同研究においては、実フィールドとして長島風力発電所を対象に、実測の運転データを精査し、風向ごとに発電効率の高い風車と低い風車を選定のうえその風向に対してRIAM-COMPACT®を用いた高解像度数値風況シミュレーションを実施し、発電効率の高低と平均風速プロファイル(風速の鉛直分布)に強い相関があることを実証することに成功した。

風況シミュレータ

※クリックで拡大(gif、約10MB)

同研究では、まず2年分の実測データを精査し、発電電力量の差分を調査。その結果、21台の風車において発電電力量にばらつきがあり、風向に依存することが明らかになった。続いて、選定した各風向に対してRIAM-COMPACT®を用いた高解像度数値風況シミュレーションを実施した。その結果、複雑地形上を過ぎる風が「地形効果」により増速したり、逆流・減速したりする様子が明確に観察され、風車立地点周辺には複雑な気流場が形成されていることが分かった。

さらに、各風車の立地点での風速分布及び平均風速の鉛直プロファイルのグラフを吟味することで、「地形効果」に伴い、風車ハブ高さ付近から風車翼の下端において、発電効率の高い風車は風速が局所的に増速していること、これに対して、発電効率が低い風車では大きな速度欠損が存在していることが分かった。

現在、風力発電に大きな注目が集まっている一方で、風力発電の立地点は山間部等の複雑地形へと移行しており、地形乱流の影響によって発電電力量の低下や風車内外の故障等が発生することが懸念されている。このよう状況を踏まえ、風力発電の事業性評価には、これまで以上に高い精度が求められている。

今回の研究で、発電効率の高低と、風車立地点における平均風速の鉛直プロファイルの強い相関性、すなわち「地形効果」に伴い、風車ハブ高さから風車翼の下端において、発電効率の高い風車では局所的な風速の増加が、発電効率の低い風車では同じ範囲に大きな速度欠損が存在することが明らかになった。これにより、風車の「真に最適な配置」、すなわち、風車を故障させずかつ効率的な発電が可能な立地点を選定することが可能になるため、今回の研究成果を活用することで、風車を故障させずに効率的に発電できる立地点の選定が可能になり、風力発電の事業性評価等への活用が期待される。

参考1:九州大学 - 風車周辺における複雑な気流の動きの「見える化」と年間発電電力量との相関の「明確化」

参考2:九州大学 - 応用力学研究所 新エネルギー力学部門 風工学分野

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