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鉄道各社、回生電力の利用を推進 東武鉄道、メトロなど

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鉄道各社に、省エネ推進策として、電車がブレーキを使用したときに発生する回生電力を有効利用する取り組みが広がっている。東京メトロは、三菱電機と協力し、回生電力を駅で利用する「駅舎補助電源装置」の実証実験を開始する。また、東武鉄道は、東武東上線の上福岡駅構内にある、上福岡き電区分所(電圧降下の軽減を図るための施設)に電車の回生電力を活用する「回生電力貯蔵装置」を同社線内で初めて導入し、供用を開始した。

東京メトロは、回生電力のうち、近くを走行している車両だけでは消費できない余剰電力を、駅の電気設備に直接供給する「駅舎補助電源装置」を8月中旬に東西線の西船橋変電所に導入し、約2カ月間の予定で実証実験を行う。「駅舎補助電源装置」は、電車線(架線)に流れている直流電力を取り込んで交流に変換し、駅の照明や空調、エスカレーターなどに使えるようにする装置。駅のホーム下やホーム端など屋外への設置を想定している。本装置の省エネ効果として、約600kWhの有効活用が可能で、東京メトロ西船橋駅の消費電力(15時間分)の16%を補完できると試算している。実証実験では、こうした省エネ効果や機能について検証する。また、将来は駅停電時の予備電源としての利用も検討していく。実証実験の結果を踏まえ、東京メトロでは本装置の本格導入を進め、三菱電機は2013年4月から本装置の製品供給を目指す考えだ。

東京メトロ 駅舎補助電源装置のシステムイメージ図

東武鉄道が導入した回生電力貯蔵装置は、電車がブレーキを使用した際に発生する回生電力を吸収・貯蔵し、その貯蔵した電力を電車が加速走行するときに供給する装置。本装置は1,800kW(合計5台)のリチウムイオン電池を使用。制御部は東洋電機製で、電池部はGSユアサ製。また、架線の電圧を安定させるため、鉄道の安全運行を支える最先端の技術を活用している。導入にあたっては、先端的で省エネルギー効果など政策的意義があると認められ、平成23年度、24年度の経済産業省資源エネルギー庁「エネルギー使用合理化事業者支援補助事業」として施工した。

東武鉄道 電力貯蔵装置イメージ図

その他、JR西日本も電力貯蔵装置の開発に力を入れている。従来は変電所において緊急時のバックアップ電源の位置づけでこうした装置を導入したが、さらに、バッテリー(リチウムイオン電池)を用いて運転エネルギーの削減を目指す実用化の検討を進めている。すでに6月に小浜線美浜駅に試験装置を設置し、取り組みに着手している。

また、JR東日本は、7月には、川崎重工と連携し、川崎重工が開発した鉄道システム用地上蓄電設備(BPS)を管内の営業路線にある変電所に設置し、実証運用を開始した。本実証試験では、初めて同社管内で回生電力貯蔵装置の試験運用を行い、蓄電池をき電線(架線)に直結できる世界で唯一の方式を用いるBPSを設置することで省エネ効果などを調査する。JR東日本は、5月に、回生電力と鉄道関連用地に多くの導入可能性がある太陽光発電電力を有効利用するために、鉄道電力システムへのスマートグリッド技術の適用の取り組みを開始することを発表している。

参考:環境ビジネスオンライン - JR東日本、鉄道電力システムへ回生電力や太陽光発電電力を利用

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