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低速EVは2.6倍、電動トラック・バスは4.2倍、20年世界市場を予測

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総合マーケティング会社の富士経済は、2012年2月から5月にかけて世界の低速電気自動車(LEV)と電動トラック・バスの現状を調査し、その将来を予測した結果を発表した。最高速度が時速90km以下の電気自動車(EV)を対象としたLEVの市場は2011年が337億円、2020年は880億円(2011年比2.6倍)になる見通し。LEVはEV普及へのつなぎとして期待されており、EVが本格普及すればEVへのシフトが進むと考えられる。電動トラック・バスの市場は2011年が451億円、2020年は1,900億円(2011年比4.2倍)となる見込み。電動トラック市場は現時点では日米欧などの先進国が中心であるが、トラック全体の市場が拡大している東南アジアなどの新興国においても、徐々にHVやEVなど電動化が始まるとみている。

LEV市場の推移をみると、2011年が337億円、2012年は540億円、2015年は750億円、2020年は880億円になると予測する。1~2人乗り、短距離利用が中心の小型EVは車体を軽くし電池の搭載量を減らせるので価格を下げ易い。また、大都市圏で頻発する渋滞や、駐車場不足なども緩和や解決が可能であり、一般道への乗り入れを規制すれば交通事故の増加への不安も解決すると期待される。国内でも、少子高齢化や、エネルギー需給の逼迫、CO2排出削減などの課題を解決する対策のひとつとして注目されており、これを受けて、国土交通省は、今年6月4日に環境対応車と街づくりの提案・ガイドラインを取りまとめた「超小型モビリティ導入に向けたガイドライン」を公表している。

中国では、2011年に前年2倍の6万台が生産された。2020年には2011年比3.3倍の20万台に市場が拡大すると予測する。中国のLEVは、1級都市(北京、上海、広州、深センなど)を除く2・3級都市以下を中心に普及が進んでいる。各地域共に今後EVへのシフトが進むと考えられるため、2015年以降の成長は鈍化すると予測する。日本でも山間部を中心にLEVの導入が見られるが、2011年に三菱自動車EV「MINICAB-MiEV」が発売されたこともあり、あまり大きな市場拡大は期待できない。韓国でもLEVはEV普及へのつなぎとして期待され、10年3月からは一部の一般道路走行も許可されたが、予想よりも早くEVの導入態勢が整ったことなどから、期待されていたほどには市場は拡大していない。一方、欧州では都市部を中心にLEVの導入が見られる。

電動トラック・バスは、HV、PHV、EV、FCVのトラック(小型、中型、大型)およびバス(観光バス、路線バス)を対象とする。市場の推移をみると、2011年が451億円、2012年が580億円、2015年が978億円、2020年は1,900億円となると予測する。各国の市場をみると、日本や欧米はHVトラックが中心、欧州は経済危機の影響を受けて縮小、北米はHVトラックを中心とした導入が比較的好調である。一方、中国はHVバス・EVバスが中心となっており、電動トラックよりも単価の高い電動バスの導入が進んでいるため金額市場は急拡大している。

日本では、2011年の東日本大震災の影響が一部あったものの、平成22年新排出ガス規制対応車の増加および各社の車両性能向上により、販売台数は増加しつつある。2015年頃まではまだHVトラック・バスが中心の市場であると予測する。2015年以降は、各社の開発の効果や充電インフラの普及により、EVやPHVのトラック・バスも本格的な普及期に入る見通し。HVも環境意識の高まりや技術開発の進歩などから引き続き増加すると見られ、全体市場拡大の一因となると考えられる。

「エコカー」を取り巻く環境も変化している。日本では「第3のエコカー」と呼ばれる、低燃費のガソリンやディーゼルエンジン車が注目され、いっそう電動自動車との競合が激しくなる見込み。海外においては、各地域性により、欧州・インド市場などではディーゼル車、ブラジルではバイオエタノール車が主流を占めており、自動車メーカー各社も先進国・新興国・各種規制を把握した地域戦略が求められる。近い将来、電動自動車市場(HV、PHV、EV、FCV)は単一市場向け戦略ではなく、自動車メーカーの先進国/新興国戦略、さらに電動自動車を利用した派生ビジネスなど新たな観点が必要となる。

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