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電事連レポート、欧州の電力自由化市場に見られる新たな課題を報告

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電気事業連合会は、8月20日に「欧州の電力市場自由化の課題から学ぶ、日本の電力システム改革」と題する電力レポートを発表した。市場機能だけでは、必要な発電容量を安定確保するための、火力や原子力などの従来型電源への投資インセンティブが働かず、安定した電力の確保には何らかの制度が欠かせないと指摘している。

同レポートの概要は、以下の通り。

現在、経済産業省の諮問機関である総合資源エネルギー調査会の電力システム改革専門委員会では、日本における卸電力市場の活性化をめぐる議論が進められている。

こうした議論で参考とされる傾向の強い欧米では、卸電力価格の統一化・安定化、既存電力連系線の効率的な利用、予備力の確保を通じたエネルギー供給保障の強化に加え、風力や太陽光などの自然環境の影響を大きく受ける再生可能エネルギー電源(間欠性電源)が増加していくことを踏まえた電力システム全体の供給信頼度を確保するため、EU内で国家間の卸電力市場の統合が進んでいる。

ところが、間欠性電源の導入増加による従来型電源の利用率(=収益率)の低下や、政治的理由による卸電力価格上限規制などにより、安定した電力供給が可能な従来型電源への投資のための十分な価格シグナルが発されていない事が現在問題視されている。

理論的には、需給ひっ迫時には電力の市場価格が上昇し、ピーク対応やバックアップのための従来型電源への投資シグナルを発するため、設備投資不足への懸念は生じない。しかし実際には、準備段階から運用開始までに一定の時間を必要とする電源については、この市場メカニズムだけでは安定確保が困難になる。

EURELECTRIC(欧州電気事業連合会)が2011年5月に発表した「再生可能エネルギーと電力市場設計に関するレポート」によれば、この問題は欧州の政策決定者も認識し始めていると指摘している。

現在、従来型電源への投資インセンティブを与える具体的な制度として、発電容量に一定額支払いを行う容量支払制度や、あらかじめ設定された発電容量を市場での取引を通じて調達する容量市場制度などが検討されており、英国で現在進められている電力制度改革でも容量市場の導入が予定されている。このような課題は欧州に限ったものではなく、米国でも既に容量市場制度が導入されている。

参考1:電気事業連合会 - 電力レポート(2012年8月、PDF)

参考2:EURELECTRIC - RES Integration and Market Design(PDF、英語)

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