NHKは、省電力と実用的な寿命を兼ね備える「赤色発光有機ELデバイス」の開発に成功したと発表した。同デバイスは、発光材料として白金錯体を用い、ホスト材料として新たにベンゾキノリン誘導体を用いた材料を組み合わせることにより、従来のイリジウム錯体を用いたデバイスに比べて、1/3の省電力化と7倍の長寿命を実現したのが特長。
NHKは、いつでもどこでも放送サービスが楽しめるよう、有機ELデバイスを用いた超薄型で曲げられる「フレキシブルディスプレイ」の研究開発を進めている。有機ELデバイスの中で光を発する発光層は、発光材料と、それを分散させて電気エネルギーを発光材料に受け渡すためのホスト材料で構成される。従来、発光材料にはイリジウム錯体が一般的に用いられていたが、抜本的な性能改善に向けては、イリジウム錯体以外の発光材料を用いたデバイスの開発が大きな課題となっていた。
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