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三菱重工、石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留の一貫実証試験を開始

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三菱重工、石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留の一貫実証試験を開始

三菱重工業は、米国電力大手のサザンカンパニーと共同で、世界で初となる石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留一貫実証試験を開始したと発表した。本実証試験の成果をもとに、石炭焚き排ガスからのCO2回収技術の商用化実現へとつなげていく計画だ。

今回、両社が共同で進めている石炭火力発電所排ガスからのCO2回収・貯留実証試験で、回収したCO2の地下への注入が始まった。排ガス中に煤塵などの不純物が多い石炭火力発電所を対象に、1日500トン規模のCO2回収と貯留を一貫して行うのは世界で初めてとなる。

サザンカンパニーグループは、総発電容量4,200万kW以上の発電施設を所有する米国最大級の電気事業者で、同国東南部の約440万の顧客に電力を供給している。本プロジェクトは、サザンカンパニーのバリー火力発電所(アラバマ州)内に建設した石炭焚き排ガスCO2回収実証プラントにより、排ガス中から回収・圧縮したCO2を約12マイル西にあるシトロネル・ドームの地下3,000~3,400mにある帯水層に貯留するもの。CO2貯留は、米エネルギー省(DOE)の温室効果ガス対策プロジェクト(Regional Carbon Sequestration Partnership Phase III program)の一環として行われる。CO2貯留は、アラバマ州政府からの許可が下りたのを受けてスタートし、徐々にCO2供給量を拡大。現在は、フルスケールである1日500トン規模に達している。

三菱重工は今回のプロジェクトで、CO2の回収・圧縮の基本計画からエンジニアリング、コア機器の供給、さらに実証運転時の技術サポートまでを担当している。CO2回収実証試験は昨年6月から開始され、現在も順調に続いている。実証試験用プラントは、両社が共同で建設した世界最大規模(500トン/日規模)の装置で、排ガス前処理設備(脱硫)、排ガスCO2吸収・再生設備、CO2圧送設備、ユーティリティー設備などで構成される。CO2回収能力は年15万トンで、CO2回収率は90%超。CO2回収に当たっては、三菱重工が関西電力と共同開発した高性能な吸収液(KS-1™)を用いたKM CDR Process®(米国登録商標)と呼ばれるプロセスが採用されている。これは他の方式に比べエネルギー消費量が大幅に少ないのが特徴。

三菱重工は、天然ガス焚きおよび重油焚き排ガスからのCO2回収で世界トップクラスの実績を有し、化学工場向けに10基の商用機を納入し、1基を建設中である。一方、石炭焚き排ガスからのCO2回収については、今回のバリー火力発電所での稼働実績のほか、2006年から国内で地球環境産業技術研究機構(RITE)と電源開発(J-POWER)の協力を得て1日10トン規模の実証試験を実施、CO2回収の連続安定運転の実証を完了している。

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