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つくばに次世代モジュール型データセンター 消費電力30%削減

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つくばに次世代モジュール型データセンター 消費電力30%削減

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2008年度に開始したグリーンITプロジェクトにおける成果の一つとして、省エネ技術を結集したことで大幅に消費電力を削減でき、かつ、節電運用が可能な「次世代モジュール型データセンター」を産業技術総合研究所つくばセンター内に構築した。

これまで開発してきた省エネ基盤技術である「高電圧直流電源技術」「サーバー液冷技術」「グリーンクラウド運用技術」「データセンターモデリング・評価技術」に、今回新たに開発した「外気導入技術(特許出願中)」を組み合わせ、エネルギー利用効率を最適化し、総消費電力を従来に比べ30%削減できることを検証する。また、商用電力の供給量が制限された際に、制限内で効率良くデータセンターの運用が行える運用技術の開発も目指す。

同センターの特長は、以下の通り。

【1】液冷を用いたファンレスサーバー

空気よりも熱伝導率が高い液体を用いて、熱をサーバー室内に排出せずに効率的に除去する手法を採用。今回新しく開発した液冷ジャケットを既成品サーバーに装着し、大部分の熱を冷却液によりサーバーから除去することで、サーバー内蔵ファンの多くが不要となり、消費電力削減を実現。

既製品サーバーと液冷ファンレスサーバー

既製品サーバーと液冷ファンレスサーバー

【2】外気導入によるエアコンレスデータセンター

サーバーからモジュール内に排出される熱をモジュールの外に排出するために、外気を利用することとし、産総研とNTTファシリティーズは、グリーンユニットと呼ぶ外気導入装置を設計。これによりエアコンを使わずにサーバーを冷却でき、また、大型ファンで動作させるため、冷却にかかる電力を大幅に削減することが可能となった。

グリーンユニットのイメージ図と空気の流れ

グリーンユニットのイメージ図と空気の流れ

【3】直流電源供給と電源アダプティブ制御技術(運転台数制御)

NTTファシリティーズ三菱電機、長崎大学は、電源システムの直流化によりシステム全体の変換段数を削減するとともに、約380Vの高電圧化により電源システムの効率を向上させた。さらに、IT機器の消費電力に応じて電源ユニットの運転台数を最適制御する電源アダプティブ制御技術を確立し、常に運転効率の高い状態を維持することを実現。同制御技術は直流給電システムとの親和性が高く、IT機器の稼働状況に応じて安定した運用をしつつ最大の省エネ効果を得ることが可能。

交流電源システムと直流電源システムの変換段数

交流電源システムと直流電源システムの変換段数

【4】データセンターの省電力運用と節電対策

今回開発したデータセンターは、分散ストレージを多数のサーバーで構成し、相互にデータのレプリカをもち、ユーザーからのアクセスに応えるサービスを提供することで、省電力化を図っている。また、電力の供給制限などへの対応として、日本電気とNTTファシリティーズが、電力会社からの電力供給情報に基づき、モジュール内の蓄電池を活用し、節電要請に応える電力でIT機器を稼働させる運用技術を開発。ユーザーからのアクセス数が多い場合には、止む無くサービスレベルを下げることになるが、サービスを停止せずに継続した運用を可能にする。

【5】次世代モジュール型データセンターの構築と評価実験

限られたスペースの中で、上記(1)から(4)の特長をもち、エネルギー効率、特に熱の流れと電力効率に注目し、エネルギー利用を最適化するモジュール型データセンターを設計・構築した。また、今回構築した次世代モジュール型データセンターに加えて、従来の設計方法によるモジュール型データセンターも構築し、同じ情報処理能力をもつデータセンターとして消費電力の直接比較が可能となっている。

今後、つくば市でクラウドサービスやWebサービスなどを1年以上運用し、実際的な運用状態において消費電力削減の効果を評価。また、つくばにおける外気環境条件での動作および削減効果評価を行うとともに、つくばでは自然に形成されないさまざまな外気環境下での評価も実施。さらに、運用のガイドライン開発やノウハウの蓄積などを進める。

参考:NEDO - 省エネ技術を結集した次世代モジュール型グリーンデータセンターを構築

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