> > 京都議定書、実行期間スタート 各機関で取り組み強化

京都議定書、実行期間スタート 各機関で取り組み強化

記事を保存

電通・博報堂・生駒市・国内クレジット推進協議会

北海道放送

北海道放送は「Hana*テレビ 第1部 エコスペシャル」で視聴率に連動したカーボンオフセットを実施。
仮に5%の視聴率だったとすると、11.31トンのCO2を購入することになるという。


撤廃される自販機

生駒市の施設から、自販機が撤廃される。日本は自動販売機が非常に多く、飲料自販機で263万8,800台普及している
(07年末、日本自動販売機工業会調べ。自販機全体では540万5,300台)
48.4人に1台の計算となる。その消費電力は、1台あたり月間約200KWと、標準的な家庭の月間電力使用量の3分の2に相当するという

京都議定書の温室効果ガスを削減する実行期間が4月1日から始まった。日本は、2008年から2012年までの5年間で、1990年の基準年比で温室効果ガス6%の削減が目標だ。だが実際には、06年度の排出量は13億4100万tで基準年の6.4%増。目標達成には増加分を含めた12%を削減しなければならず、かなり厳しい状況だ。

大手広告会社2社がカーボンオフセット推進

消費者の環境意識を高めようと、電通と北海道放送(HBC)は、テレビ番組放送とカーボンオフセットを一体化した視聴率連動型カーボンオフセット実験番組を4月25日に1時間放送した。視聴者は番組を見ているだけで二酸化炭素の排出量削減に貢献できる、日本初の試みだ。

その仕組みは、HBCが番組の視聴者数と番組視聴時間分の1人当たりの温室効果ガス削減目標を掛け合わせた分の温室効果ガスの排出権を購入して、日本政府の償却口座に寄付するというもの。排出権の購入金は日本政府公認CDMプロジェクトに使われる予定だ。番組を通して削減された温室効果ガス排出量は、HBC番組やホームページを通して報告される。電通は今後、この企画を全国の各放送局に順次提案していく方針だ。

一方、博報堂も排出量削減のサービスを5月中旬から始める。博報堂は日本の広告会社では初めて、国連のCDM事業の排出権1000トンを取得した。同社のサービスは、依頼主が希望すれば、イベントで生じる二酸化炭素削減のアドバイスを行い、削減しきれない分についてのカーボンオフセットを実施するというもの。

排出権は、博報堂が依頼主に代わり日本政府へ無償譲渡する。つまりこのサービスを受けることで、依頼主は小口の排出権利用が可能になり、京都議定書の温室効果ガス排出削減目標遵守に貢献できるということになる。

中小企業の排出削減を支援 自販機撤廃の自治体も

経済産業省や環境省を中心とした中小企業の温室効果ガス排出削減を支援する動きも活発化している。多くの中小企業は、技術力や資金力がないため、排出削減の取り組みが進んでいない。

経済産業省はこれまで、「中小企業のCO2排出削減検討会」を設置して、大企業の資金と技術を活用して中小企業の排出を削減する「国内クレジット」の創出・流通の制度整備を検討してきた。

そして4月18日、日本商工会議所、日本政策投資銀行を発起人に、新日本製鐵やトヨタ自動車など24の本邦企業と団体による「国内クレジット推進協議会」の設立発起人会が行われた。5月下旬には会を発足させ、プロジェクトの創出支援や制度の普及活動を行う予定だ。

また、資金面のバックアップとして、経産省と環境省は、政府系金融機関による低金利融資制度を開始した。温暖化ガス削減効果が12.5%以上見込まれる設備投資を計画する中小企業に、最大で7億2千万円を低金利で貸し出す。

ユニークな取り組みを実施する自治体も現れた。奈良県生駒市では、京都議定書の削減目標達成のための施策の一環として、市が管理する公共施設から清涼飲料水やタバコの自動販売機を、4月から半年かけて撤廃する計画だ。ただし、体育施設など利用者が水分補給を必要とする場所では、省エネタイプの自販機を、必要最小限の台数を設置して対応するそうだ。

目達計画改定も問われる姿勢

日本の状況とは対照的なのが、環境意識が高いとされているEUだ。昨年の欧州委員会の発表によると、EU15カ国は京都議定書の削減目標8%を辛うじて達成できる見通しだという。

日本はどのようにすれば目標を達成できるのか。日本政府は排出枠の5.4%分を森林吸収分と海外からの排出権枠で補う方針だが、それだけでは目標には遠く及ばない。3月28日には、05年に策定した「京都議定書目標達成計画」の改定を閣議決定。産業界の自主行動計画強化や住宅の省エネ性能の向上、自動車の燃費改善などが追加策として盛り込まれた。

だが、今回の達成計画の改定では、削減効果が高いと言われる国内排出量取引や環境税の導入は見送られている。これらの制度導入がそのうち検討されることになるのか。いずれにしても、この5年間で、地球温暖化対策における日本の姿勢が問われることになる。

関連セミナー・イベント情報

関連カテゴリ

プレスリリースを受け付けております

環境ビジネスオンラインでは、皆様からの環境に関する情報をお待ちしています。

新製品・新サービス、研究内容、法令情報、イベント・セミナー、海外の環境ビジネス情報など、お気軽にお寄せ下さい。お送り頂いた内容を、編集部にて拝見いたします。

こちらから、必要事項をご記入ください

Copyright © 2012 日本ビジネス出版. All rights reserved.