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米各州知事、エネルギー安全保障かけ、独自政策打ち出す

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民主党オバマ候補、共和党マケイン候補

民主党オバマ候補 共和党マケイン候補

ノースカロライナ州

ノースカロライナ州は"グリーン成長―growing green"をスローガンにする。写真はバイオマスを中心とする再生可能エネルギー産業によるグリーン経済成長を示すイメージ画像

次期政権の環境・エネルギー政策に対する期待をアメリカの各州知事に聞いたところ、連邦政府の取組みに期待するより、地域特性に沿った独自の政策を打ち出していることがわかった。

大統領が誰になっても関係ない

いよいよ第44代アメリカ大統領選の本選挙が間近に迫る。環境・エネルギー分野では、民主党オバマ候補、共和党マケイン候補ともに、エネルギーの海外依存度を下げ、再生可能エネルギーへのシフトを政策目標に掲げる。

そこで、全米でも独自の政策を掲げる各州知事に、次期政権に期待することを聞いた。意外にも「大統領が誰になろうとわが州のエネルギー政策には関係ない」というコメントが多く返ってきた。州知事にとっては、連邦政府の政策よりも、独自性のある政策で国内外から投資を呼び込み、優良企業を誘致し、雇用を創出し、州経済を成長させることが重要のようだ。

環境産業は国際条約や国の政策・法規制に左右されやすい。とくに、日本はその傾向が強い。それと比べ、州の独立性が高いアメリカで連邦政府の政策よりも州の政策のほうが産業発展への影響が大きい。日本企業が次期政権誕生後に生まれるビジネスチャンスをつかむには、各州独自の環境政策に注目しておく必要がありそうだ。

コネティカット州/M・ジョディ・レル知事

2020年までに再生可能エネ20%目標
水素燃料電池開発で全米をリード

コネティカット州は大胆な再生可能エネルギー計画をもっています。この計画により、わが州は、この分野で全米をリードしようと考えています。エネルギーの海外依存度を抑え、安価なエネルギーを消費者に届けるべく、環境保全のための確かな技術を育成し、エネルギー分野におけるイノベーションを通じ、わが州を経済成長の中心地とするのが狙いです。

年までに州内需要の20%を再生可能エネルギーでまかなうこと、ピーク電力消費を20%抑えること、化石燃料への依存を20%削減、そのためにすべての輸送用燃料と家庭用の燃料消費の20%を代替エネルギーにシフトさせます。

日本はわが州の7番目に大きな貿易相手国であり、しかも近年貿易額は増えています。HOYA、富士フィルム、パイロットペン、オカモトなど多くの素晴らしい日本企業がコネティカット州に拠点をもち、またこちらから日本に進出している企業も多数あります。

コネティカット州は環境技術の開発に本気で取組んでいます。その中心となっているのが州の経済開発省管轄のコネティカット州先端技術センター(CCAT)です。投資と技術の面で、同センターは2020年20%の目標達成に大きな役割を担っています。

その最大の強みは燃料電池産業で、産業界や学術界、政府などさまざまな関係者が連携して水素燃料電池の開発に取組んでいます。コネティカット水素燃料電池連盟、再生可能エネルギー投資ファンド、電気・天然ガス会社、交通運輸局やその他の関連機関が協力して、経済成長、雇用促進、エネルギー安全保障と環境パフォーマンスを促進しています。

また、経済開発省は100万ドルの研究開発予算を用意しています。その対象は①藻類や廃油など食料と競合しないバイオ燃料、②バイオ燃料の品質評価です。 再生可能エネルギー産業は雇用と経済成長をもたらす大きな可能性をもっており、しかも、新しい産業ばかりでなく、農業など旧来の産業もその恩恵を受けることができるのです。コネティカット州は、間違いなくこの分野のリーダーです。

ウエストヴァージニア州/ジョー・マンシン知事

石炭のガス化と液化で全米初のプラント

次期大統領に対して、ウエストヴァージニア州は国内の資源を活用した国家安全保障を積極的に進めることに期待します。わが州のビジョンを示す"ウエスト・ヴァージニアエネルギー政策ドキュメント(EOD)"では、輸入石油への依存を減らす方針のもと、化石燃料、再生可能エネルギー、そしてエネルギー効率の3分野について明記しています。

石炭は石油系燃料からの移行期に重要な役割を果たしてきました。そこで石炭資源の豊富にあるわが州では、石炭液化プラントの建設を呼びかけ、ついに国内最大の歴青炭製造業者CONSOLと国際的な産業用ガス企業のSESが総予算は8億ドルをかけて全米初の石炭ガス化と液化のプラントをウエストヴァージニア州で開発しようとしています。実現すれば87オクタン・ガソリンにして1億ガロンのエネルギーが供給されます。 また、木材や穀物の残さが豊富にあることからセルロース系エタノールの商業利用のポテンシャルも高く、ウエストヴァージニア大学ではバイオマス化学研究センターを設立しています。

州の風力源は、3800MWと見積もられており、わが州にとって風力も重要な位置を占めています。すでに州内だけで230MWが発電されています。

また、わが州では"産業の未来プログラム"を通じ、省エネにも力を入れています。エナジースタープログラムでは、エナジースター製品の免税日、タックス・ホリデーを設け、省エネ製品の普及に力を入れています。

州内にはトヨタ自動車や日野自動車、ダイヤモンド電機など、数多くの有力な日本企業が進出していることが、ウエストヴァージニア州でのビジネスのやりやすさを物語っています。理由の1つは東海岸の大消費地に近いこと、そしてビジネスや生活コストが全米平均より1割程度低いことがあげられます。

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