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渋谷で振動力発電実証試験開始

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交通量多いターミナル駅などでの利用拡大へ

ハチ公前広場の発電床

ハチ公前広場の新たな名物となった発電床。随時発電量が表示される。

実証実験開始のセレモニー

実証実験開始のセレモニーの模様。

12月5日からJR渋谷駅前で、人がその上を歩くことにより発電する「発電床」の実証実験が始まった。

八重洲北口構内や首都高速道路での実証実験で実績のある音力発電と東京都渋谷区が主体、コクヨやアドビシステム、グーグルなども協力する。1秒あたり2歩での発電量は約0.5W。交通量世界一、渋谷スクランブル交差点・ハチ公前広場全体に約4000基の発電床を設置すると、一般家庭40軒分450kW(仮定)の発電が可能といわれる。今回の実験の結果次第で、来年度以降の増設が検討される予定。都市部での展開が期待されるユニークなエネルギーに注目が集まりそうだ。


人が通行する振動を発電に活用

音力発電(神奈川県藤沢市)と東京都渋谷区は、12月5日からJR渋谷駅前で、人がその上を歩くことにより発電する「発電床」の実証実験を開始した。

半蔵門線の入口近くのハチ公前広場に、従来型4基と10倍の発電能力を持つ改良型2基を設置し、発電量や耐久性などを比較する。4基は路面に埋め込み、2基は発電ステージを設け、踏んで発電した電気量をパネル表示して可視化し通行人にアピールする。新型のサイズは1枚20cm×15cmで、体重60kgの人が1秒間に2歩、歩いた場合の発電量は約0.5W。導入コストは一般的な床材の1.5倍に落ち着くとみている。

「発電床」は、人の歩行時や車の走行時に発生する振動のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電機。圧電効果により、外部から振動などを受けた圧電素子が歪むときに、瞬間的に高電圧が発生する。

ハチ公前広場の発電床

発電床の上を歩く歩行者たち。一般歩行者も発電を楽しんでいる様子がうかがえる。

騒音や雑踏の振動などをエネルギーに変換

「発電床」を提供する音力発電は、日常生活や都市部において意識されていなかった音や振動のエネルギーに着目。クリーンエネルギーとして発電に利用するための製品開発を行う。

これまでに、慶応義塾大学とJR東日本コンサルタンツなどとの産学連携プロジェクトで、東京駅丸の内北口や八重洲北口で「発電床」の実証実験を実施している。八重洲北口構内では、90m2に設置し、自動改札機SUICAの電力に使用した。

また、首都高速道路からの受託研究として、首都高を走る車の振動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する「振子型振動力発電機」を五色桜大橋に10機設置し、イルミネーションの電力の一部を賄っている。今後随時増設する予定だという。

渋谷駅前の実証実験にはコクヨやアドビシステム、グーグルなども協力する。コクヨは、音力発電と共同開発を行い、霞が関ライブオフィスなどで「発電床」を展示している。自社製品としての展開も検討中だ。

都市部のクリーンエネルギーとして期待

音力発電の担当者は、「発電床は路面に埋め込むので、太陽光発電のように地上での場所の占有がない。都市部で導入しやすいクリーンエネルギーだと思う。ハチ公前広場は、平均90万人が通行するエリアで、渋谷区の中でもエネルギーポテンシャルが大きい場所。実験としていい値がとれるのではないか」と語る。東京駅の実証実験は駅構内だったが、渋谷駅は屋外。雨や温度変化など耐久性調査もポイントとなる。実験の結果を見ながら来年度以降の増設も検討していく。ハチ公前広場全体に設置すると約4000基。それが実現するか否かは実証実験の結果次第だが、都市部での活用など今後の展開が期待されるユニークなエネルギーだ。

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